その原作で、著者が大学在学中に書かれたのが本書。バレー部のキャプテンで校内の人気者の桐島が、チームメイトにも、親友にも、彼女にも告げずに突然部活をやめる。桐島の不在が引き起こす、これまでと勝手が違う生活に、田舎の県立高校に通う5人が揺り動かされる。野球部、バレー部、ブラスバンド部、女子ソフトボール部、映画部。部活をキーワードに、至るところでつながる彼らの物語。
映画から入ってしまったため、小説を読み始めたときには構成とキャラクターの違いに違和感があったが、描写の素晴らしさですぐに物語に入っていくことができた。等身大という言葉がこれほどはまる小説も、なかなかないように思う。これぞまさに青春群像劇、おすすめです。
集英社/ISBN:9784087468175