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2022年10月24日

協働ロボットのメリットとデメリット

現在、工場や町工場は人材不足という問題に直面しています。働き方改革が国内に浸透したことに加え、Z世代の仕事に対する考え方、働くことの位置づけが変わってきていることを受け、工場作業における人員を確保しにくくなっています。生産性を落とさず、既存の発注数を維持していくためにはどうすればよいのでしょうか?しかし、このような過酷な状況の中、大きな光が指し始めています。それがUniversal Robotsなどの協働ロボットの存在です。
 
協働ロボットは人の横に並んで、同じ空間で仕事を続けてくれる頼りがいのあるワークメイトであり、プログラムされた、作業員が行うべきタスクを淡々とこなしてくれます。もちろん、導入のメリットは多数ありますが、実際には考慮すべきデメリットもあります。ここでは、協働ロボットの長所と短所を具体的に挙げて、わかりやすく解説していきます。
 

協働ロボットのメリット

最初に、協働ロボットを導入する上でのメリットをご紹介します。
 

人件費の削減にストレートにつながる

協働ロボットは一人の作業員が受け持つ工程を引継ぎ、プログラミングされたアクションを繰り返し行ってくれるのが特徴です。つまり、ストレートに人材不足を軽減してくれるのが最大のメリットとなります。コボットのニックネームで知られる協働ロボットは、他の作業員と同じスペースで一緒に作業を行ってくれるのです。
 
企業が直面し続けている「人材不足」は、年々、深刻化しています。この「人が足りない」という課題は、日々変わりつつある「働くことへの意識」の助長で解決が難しくなってきています。そのソリューションとして第一に挙げられるのが協働ロボットです。人材不足を改善することによって、クライアントのニーズに応え、今まで通りの良好な関係を継続することが期待されます。
 

一般社員でもプログラミングが可能なタイプもある

「ロボット」と聞いただけで、「プログラミングはエンジニアじゃないと無理」という概念が生まれると思います。しかし、協働ロボットの中にはプロやエンジニアではなく、一般社員でもプログラミンが可能なタイプも続々と登場しています。かつての産業ロボットやひと昔前の協働ロボットは、プログラミングに時間を要し、かつ特定のエンジニアでなければ作業工程をインプットすることはできませんでした。つまり、プログラミングにおいてはプロに完全に委ねることしかできなかったということです。
 
しかし、現代の協働ロボットは特にプログラミングの知識がない一般の方でも、マニュアル通りに設定をしていけば、比較的ストレスなくプログラミングを実行することができます。ここではプログラミングにかかる一切の費用を節約できます。
 
また、工程1、行程2、工程3、というように順を追って、作業スピード、時間、アングルなどを確認しながら、セッティングを行うことができるのもメリットでしょう。エンジニアにプログラムを依頼すると数日から1週間程度かかることもありますが、簡単な作業をする協働ロボットなら、一般社員でも簡単なマニュアルを用いて半日程度でプログラミングを終えることができます。
 

場所を取らず、持ち運びができる

テレビのドキュメンタリーでアーム型のロボットが、工場ラインで淡々と作業をしているシーンを見たことはありませんか?
 
かつての産業ロボットでは、安全性の観点から柵を用いることが法律で定められていました。しかし、アーム型ロボットを代表する協働ロボットはその必要がありません。作業員と同じラインで、隣同士で一緒に作業工程をこなしていくことができます。サイズ的にも人より小さく場所を取りません。複数のプロセスを経て完成していく製品なら、ラインも長くスペースも限られていることが多いです。このような状況で余計なスペースを使ってしまうと、他の作業員に圧迫感を与えてしまう可能性もあります。
 
加えて、協働ロボットは軽量であるため持ち運びにも便利です。協働ロボットはプログラミングが可能であるため、順次、別の行程を任せることができます。ある製品の一行程が全て終わり、別の行程を協働ロボットに任せたいという状況で威力を発揮するのです。もちろん、軽量なので、左奥のライン位置から、右奥のライン位置へと移動するのも、作業員一人で簡単にできます。
 

協働ロボットのデメリット

一方で、協働ロボットのデメリットはあるのでしょうか?
 

初期/導入費用がかかる

前述で人件費の削減が期待できるというお話をしましたが、一方で、協働ロボットの導入では初期/導入費用がかかります。価格帯はロボットの作業量、大きさ、モデルなどによって異なりますが、一台で数百万円を超えるものが一般的です。
 
導入する台数にもよりますが、購入費用の面でややデメリットになる企業もあるでしょう。とはいえ、作業員の雇用にかかる費用を考えてみれば、メリットといえる部分の方が多いです。
 

複雑な作業が苦手である

ここで、協働ロボットがどの程度の作業レベルをこなせるか?という点に触れていきます。協働ロボットが仕上げる作業はプログラミング通りに行われるため論理的には正確です。しかし、最終的な製品の出来や仕上がり具合を確認し見定めるのは、やはり、経験を積んだ作業員の「人間の目と手」になります。
 
協働ロボットは、シンプルな作業を量産するシーンで頼りになる作業仲間です。現代の最新技術により高度な作業を実施することが可能ですが、まだまだ細かな作業においては人間の視覚と感触が必要です。
 
ぜひ、Universal Robotsなどの協働ロボットの導入をお考えの方は、こういったメリット、デメリットを考慮しながら採用の予定を立て行くようにしましょう。

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