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2022年2月16日

日本と中国におけるオンラインゲーミング業界の動向

急成長を遂げるインターネット・オンラインゲーム業界ですが、その中でもカジノの世界も例外ではありません。
 
昨今、世界各地のランドカジノ(店舗型カジノ)の来客数は減少の一途をたどっていますが、一方オンラインカジノの利用者はますます増えており、2025年までには市場は全世界で約32億ドルにも成長するとみられています。
 
アジア圏でも例外ではなく、特に中国・中国語圏におけるオンラインカジノの市場は非常に活発です。その背景として、中国で唯一合法化されているマカオのカジノ事情の低迷があります。海外旅行者数の減少に加え、中国政府が2021年からマカオのカジノ規制を強化する法改正をすすめていること、香港経由の来客数に影響されていることなどがあげられるでしょう。
 
オンラインカジノではカードゲームやスロットといったカジノ定番のゲームを始め、ライブでディーラーと対戦できるライブカジノなどもありその内容も多岐にわたっています。アジアで絶大な人気を誇るハイローラーのバカラもオンラインでプレイされており、中国・中国語圏のオンラインカジノにおいてもプレイヤーの多種多様なニーズを満たす内容であることが人気の理由でしょう。
 
一方日本の状況ですが、現在国内で認められているのが競馬、競輪といった公営ギャンブルのみです。しかしIR推進法(正式名称:特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律) が2016年に成立し、ランドカジノ解禁への動向が注目されています。IR推進法はカジノを含む統合型リゾートの整備を推進し、観光および地域振興に寄与することを目的とするものです。今現在、日本国内に3か所の施設を建設する方向で、すすめられていますが、まだ大きな動きはありません。
 
IR設立が実現すれば、シンガポールのマリーナベイサンズとリゾートワールド・セントーサ、マレーシアのゲンティンハイランドのような一大リゾートが日本にもできることになりますが、2026年に開業が予定されていた大阪夢洲の計画も延期となっており、実現するのはもう少し先の話になりそうです。
 
また中国政府は中国人の海外でのギャンブルを制限する計画を示していますが、そうなれば中国本土からのカジノへの渡航者はますます減少し、中国からの富裕層の来客を見込んでいる日本のIR構想にも影響を及ぼしそうです。
 
日本でもオンラインカジノの利用者は急増しています。有名観光地のカジノへ旅行するよりも、オンラインの方が手軽で安価であることが人気の理由でしょう。今後もオンラインカジノ市場はますます成長していくと思われます。特に日本ではランドカジノ解禁の動向やオンラインカジノの発展に焦点が当てられそうです。

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