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アタマジラミとは?見つけ方と駆除方法

 ヒトシラミには、アタマジラミ、ケジラミ、コロモジラミの3種類があり、皮膚から吸血してかゆみなどの症状を引き起こします。アタマジラミは頭髪に寄生し、他の病気を媒介することはありません。アタマジラミは約1週間で成虫になり、成虫は約1ヵ月生きる間に卵を1日に5~6個のペースで頭髪の根元に産み付けます。髪から離れたシラミは吸血ができないので2~3日程度で死んでしまいます。
 

アタマジラミは、どこからうつるの?

 シラミは直接毛と毛が接触してこすれあった時にうつります。アタマジラミは保育園の年長児と小学校の低学年児に多く見られますが、原因としては、体を寄せ合って遊ぶことが多い、ヘアブラシを共用したりする、洗髪が不十分なことなどがあります。
 
 プールでうつると心配される方もいますが、水や湯にシラミが浮いてうつるのではなく、脱衣カゴやバスタオル、ヘアブラシを共用することでうつることがほとんどです。
 

アタマジラミの見つけ方は?

 シラミの成虫は長さ2~4mmで肉眼でも見えますが、毛髪の間をす早く動き逃げるため、寄生が少ない場合は成虫を見つけ難く、毛に産みつけられたシラミの卵を見つける方が簡単です。
 
 シラミの卵(以下、虫卵)は0.5~1mm長の白色楕円形で、耳の後ろや後頭部に多く見られます。虫卵はヘアキャストと呼ばれる皮膚分泌物に似ていますが、ヘアキャストであれば指の先でつまんで引っ張ると簡単に動きます。虫卵はセメント様物質で毛にしっかりと産み付けられているので引っかかる感じがあります。子供さんが無意識に頭を掻いていればシラミ感染を疑って頭髪をよく調べて下さい。
 

アタマジラミの駆除方法は?

 シラミの駆除には、シラミ用の目の細かいクシを使う方法や薬剤を頭髪に塗る方法があります。当院ではアタマジラミの治療としてシラミの成虫にも虫卵にも有効なマラチオンの塗り薬を処方しています。
 

 シラミを完全に駆除するためには、本人と家族全員が治療を受ける必要があります。治療後も生き残った虫卵からシラミが孵化することがあるので7~10日後に再治療することもお勧めします。

 

 駆除に使用したブラシなどに虫卵が付着することがあるので、使用後は摂氏60度以上のお湯に5分以上つけて下さい。枕カバー、シーツ類にはアイロンをかけて下さい。室内に殺虫剤を撒く必要はありませんが、こまめに掃除機をかけて下さい。駆除が終わってもしばらくは虫卵が増えていないか頭髪を観察して下さい。

 

シラミに感染している子供と一緒に遊ばせて良いの?

 基本的には一緒に遊ばせて構いませんが、子供の頭髪をこまめに観察し、洗髪を十分に行って下さい。園や学校等で発生がみられる場合は、子供同士で帽子やクシなどの共用、貸し借りをしないように指導し、いじめなどにつながらないよう正しい認識で対応して下さい。