2018年12月29日
『映画篇』金城 一紀 (著)
動画ストリーミングサービスが台頭するなか、映画館の来場客数はそこまで減少していないという。真っ暗な空間の中、スマートフォンの電源を切り、いわば現実から切り離された特別な時間が現代人には必要なのだろう。映画館に足を運び観た映画には、作品としての良し悪しと共に、「この映画を観た時、こんなことがあった」という思い出が付随する。
本書はそんな思い出が沢山詰まった映画のような小説。読後、映画館に足を運びたくなるのではないだろうか。
集英社
ISBN : 9784087753806
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.341(2019年1月1日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール紀伊國屋書店 宇都宮