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文化

2008年1月28日

シンガポールのチャイニーズ・ニュー・イヤー

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多民族国家・シンガポールとはいえ、やはり大多数は中華系とあって、チャイニーズ・ニュー・イヤーはシンガポールの街が一年でも一番華やぎ、賑わいを見せるとき。今年は2月7日が旧暦元日で、翌8日までの2日間がシンガポールでは祝日となる。

チャイニーズ・ニュー・イヤーならではの縁起物や慣わしも数多くあり、各自のルーツである地方や家によって多少違いはあるが、主なものをピックアップしてご紹介。日本とは一味違う、中国風の新年の祝い方をのぞいてみよう。

 

除夕(ツゥシー、ニューイヤーイブ)

ニューイヤーイブ(今年は2月6日)はほとんどの会社が午後から休業、商店や飲食店などもランチ営業までというところが多い。夕食には家族で魚料理を囲むのが通例。ちなみに、魚(yu)の発音が余(yu)と同じであることに引っ掛けて、毎年ゆとり(余)がありますように、という願いをこめてわざと食べ残す。

また、ニューイヤーイブは子どもたちが大っぴらに夜更かしできる日でもある。特に二つの年を繋いでいるとされる午前3時から午前5時の間に起きていると、両親がより長生きできるといわれている。

元日

元日は天地の神々を迎える日。火や刃物を扱うのは良くないとされるため、元日の食事は予め大晦日までに調理しておく。

元日は、最も年長の家族を訪ねる大事な日でもある。両親、祖父母、あるいは曽祖父母の家を訪れて新年のあいさつをする。友人宅などへの訪問は正月2日以降に行う。

また、元日に掃除や洗い物をすると、せっかく迎え入れた運が家から出てしまうとされる。ほうきやちり取りなどの掃除道具をしまい込む家も多い。元日に起きたことはその年一年を表すとされているので、ことば遣いにも気をつける。例えばグラスをうっかり落として割ってしまった場合、「落地開花(ルオディカイファLuo Di Kai Hua、落ちて花が開いたよ)」「富貴栄華(Fu Gui Rong Hua、出世して富み栄えますように)」といった表現で言い表して、縁起の良い事が起きたとする。

正月7日

正月7日は人日。数え年の年齢がこの日にひとつ足される。日本ではなじみの薄くなった数え年だが、シンガポールの中華系の人々の間では今でも数え年が用いられている。

p03 (5)チャイニーズ・ニュー・イヤーの期間とされるのは旧暦1月1日から15日まで。この間に、既婚者や年長者は、お金を小さな赤い袋に入れて子供や独身者に渡す慣わしがある。この赤い小さな袋が紅包(北京語でホンバオ、広東語でアンパオ、客家語でフンバオ)で、中に入れる金額は偶数でなければならない。日本では吉数とされる3、5などの奇数で誤って入れないよう要注意。4も「死」と同音であることから避けるべき数字。8は広東語で「発」と同音で、財を成すという意味の「発財」からの連想で縁起の良い数字とされる。

シンガポールでもチャイニーズ・ニュー・イヤーの休みに入る前に、上司から部下へ紅包を渡すことが多い。縁起物なので、2ドル、8ドルといった小額で一向に構わない。今年初めてシンガポールでチャイニーズ・ニュー・イヤーを迎えるという方は、ぜひ紅包を用意して部下のローカルスタッフを驚かせてみよう。

シンガポールの年始めはこれ!「魚生(ユーシェン、Yu Sheng)」

発祥は宋代の潮州地方とも言われる魚生。19世紀末に中国からマレーシアやシンガポールなど東南アジア方面にやってきた移民達によって持ち込まれたこの料理が、現在のような形になったのは1950年代のクアラルンプール。シンガポールでも1960年半ばからチャイニーズ・ニュー・イヤーの定番料理として広まった。

魚生には、中国料理としては珍しいが文字通り生の魚が使われる。新鮮な白身やサーモンのスライス、千切り野菜を大皿に盛り付け、魚生特有の醤油ベースのソースやオイル、プラムソース、塩、スパイスなどをかけ、大皿を囲んだら皆で一斉に長い箸で持ち上げて混ぜ合わせる。広東語で魚取りの網を引き上げる動作を意味する「撈起(ローヘイ)」と呼ばれ、新年の縁起担ぎのことばを言いながら、高く持ち上げれば持ち上げるほど良いとされる。

最近では中国本土や香港、台湾などでも、魚生が広まりつつある。

アジアエックスおすすめ!魚生がおいしいレストラン

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p05 (5)懐石料理や鉄板焼きで日本食ファンに人気の高いレストラン「欅」では、日本から仕入れた新鮮な刺身を使ったジャパニーズスタイルの魚生が登場。サーモン、ハマチ、アワビ、ホタテ貝、マグロ、クラゲなどが贅沢に入っていて、ミョウガの風味がきいている。ポン酢仕立ての味も日本人にはうれしい。

和風とシンガポール風中華のフュージョンをお試しあれ。

  • Sashimi Lo Hei $80.00++(4人分)
  • 期間:2月8日(金)~22日(金)
  • Tel: 6826-8240
  • 予約はメールでも可能です。

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この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.115(2008年01月28日発行)」に掲載されたものです。
文= AsiaX編集部

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