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インフルエンザ脳症について

インフルエンザ脳症は、インフルエンザウイルスの感染が原因で起こる脳症(意識障害をおもな症状とする症候群)です。どの年齢でも起こりますが、小児期(とくに乳幼児期)に多いです。感染による強く過剰な炎症によって炎症性サイトカインと呼ばれる物質が産生されて血管や細胞を覆う膜の障害が起こり、脳がむくむことが原因と考えられています。症状は意識障害(ゆさぶりや痛み刺激に反応する、あるいはそれでも反応しない)のほかに、けいれん、異常言動・行動、嘔吐などがあります。インフルエンザ脳症を発症した場合、死亡率は約30%で、約25%に後遺症が残るといわれており、非常に重篤な合併症です。

 

インフルエンザ脳症の予防に最も有効とされているのは、インフルエンザワクチンの接種です。ワクチンの接種は肺炎などの合併症の予防に有効といわれています。ワクチンで100%予防できるわけではありませんが、ほかに有効な予防法はありません。インフルエンザ脳症はいったん発症すると治療は難しいので、ワクチン接種をして予防に努めましょう。また、インフルエンザに感染しないようにするための手洗いやうがいも大切です。

 

インフルエンザにかかった場合には注意深く経過をみて、何か気になる症状がある場合には早急に医療機関を受診しましょう。