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学習

2004年10月4日

日系企業の課題 ~グローバル人材育成~

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以前、多くの海外マネージャーが学ぶ「エグゼクティブ・プログラム」で、ビジネススクールや大学院のMBAプログラム(経営修士コース)に学ぶ人たちが増えていることをお伝えした。しかし、MBAやエグゼクティブ・プログラムに参加する日本人はまだまだ少ないという。社内研修が充実している日本企業で働く人達は、他社や他業界の人たちとともに学ぶことには、あまり積極的ではないことを意味しているのだろうか。
そこで、7月24日から9月18日にかけてシンガポールで開かれた日本人向け幹部育成MBAプログラムの成果を取材した。

p2 (27)日本人向け幹部育成MBAプログラムの開催

日本人海外マネージャー向け「グローバル・エグゼクティブ・デべロップメント・プログラム」(幹部育成MBAプログラム)は、教育べンチャー企業、ザ・インキュべ一タ一・インスティテュ一ト(TII)のプロデュース。
内容は、「グローバルマネージャーに必要なことは何か?」「グローバル企業戦略」「グローバル・マーケティング戦略」「アジアン・リーダーシップ」などをテーマに、東芝アジアパシフックの大橋憲一CEO、シンガポール経営大学(SMU)の好川透准教授、またシンガポール国立大学(NUS)のプレム・シャムダサニ教授など、多彩な講師を招いて企業で実際に海外ビジネスに携わるマネージャーに必要なマネージメント知識の習得、ケーススタディ、ディスカッションが中心だった。
さらに、特別体験学習として、「グローバル企業訪問」が行われた。ヒューレット・パッカード(HP)は、小さな倉庫からたった二人で始まった小さなべンチャー企業。どのような経過をたどってグローバル企業へと成長したのか?HPのアジア・パシフィックにおける人事・組織戦略についての解説なども含めて、HP幹部との活発なディスカッションが二時間半にわたって行われた。当日は、日系・外資系企業の多様な業界から、グローバル化を目指す企業のマネージャーや経営者達が参加した。

異業種交流の少人数クラス

p3 (6)メインのエグゼクティブ・プログラムでは、化学メーカー、精密機器・電機・機械メーカー、出版、外資系コンサルティング、金融、保険、航空、エンジニアリングと、さまざまな業界で活躍するマネージャー達が、年齢もさまざまな十名ほどの少人数クラスで一緒に学んだ。クラスでは、他業界で働くクラスメイトの話を聞き、自社が逆にどんな会社なのか再認識できたという感想が多いという。
例えば、参加者の一人でマーケティング・マネージャーの鈴木和夫さん(33)は、このような研修に関心を持っていたところ、偶然このエグゼクティブ・プログラムを見つけて参加したという。授業の内容や講師について鈴木さんは、途中からは上司も参加するほどで、「ともによかった。また、やる気のある人たちに囲まれて刺激になった」と話す。
また、自社戦略を客観的に見ることができるようになったとも述べ、今後の課題として「マネージャーからリーダー」への成長を挙げた。
教育プロデューサーの齋藤―恵TII社長は、「今回は、参加者全員の向上心が強く、学ぶ意識の高い人たちに集まっていただき、本当に質の高いクラスになりました。私自身もクラスに参加しましたが、意識の高い参加者の皆さんから、学ぶことが大変多かったです。今後も、海外ビジネスの現場で奮闘されている日本人の方たちへ、年齢や業界を超えて、皆さんと一緒に『学びたいものが学べる場』を企画して、自分も会社も成長していきたいと思っています」と話している。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.014(2004年10月04日発行)」に掲載されたものです。
文= AsiaX編集部
取材協力:ザ・インキュべ一タ一・インスティテュ一ト

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