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ベドック

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MRT東西線が通るベドックはチャンギ国際空港から近く、海外出張の多いビジネスパーソンが住むにも便利な場所。HDBやコンドミニアムが多く立ち並び、シンガポールのベッドタウンとも呼べるこのエリア、今後はMRTの新線が複数乗り入れる予定となっており、交通面での利便性も大幅に向上する見通しだ。

 

ベドックを訪れるなら、バスターミナルのベドックインターチェンジとも繋がっている、MRT東西線のベドック駅を起点にするといいだろう。駅に直結する形で「べドック・モール」、またすぐ近くには各種ショップが入居する「べドック・ポイント」があり、買い物もしやすい環境が整っている。

 

 

べドック・モールに隣接する形で2014年には「べドック・インターチェンジ・ホーカーセンター」も完成した。施設は比較的新しく清潔感もあるので、ホーカーは苦手という人でも立ち寄りやすいかも。さらに近くでは「ハートビート」と呼ばれる複合施設の建設が進んでいる。ハートビートには、飲食店や医療施設、図書館のほかプールやテニスコートも整備される予定で、地域のコミュニティセンターとしての役割が期待されている。

 

駅の周辺にはHDBが立ち並び、閑静な住宅街といった趣もある。ナショナル・ヘリテージボードによると、シンガポールにおける人口増加に対応するため、1960年代以降、同エリアではHDBが盛んに建設されてきたという。

 

東のタナメラ駅方面まで足を伸ばすと、ベドック駅との中間あたりにサッカーSリーグに所属する「ゲイラン・ユナイテッド」の本拠地であるべドックスタジアムがある。

貯水池やイーストコーストパークなど
自然も身近に

ベドックには自然に触れることのできる場所も多い。駅の北には貯水池があり、散歩やランニングを楽しむ人が多く見られる。ドラゴンボートやカヤックの貸出を行っているほか、アスレチック施設「フォレストアドベンチャー」もあり、家族連れでも楽しめそうだ。現在、MRTのべドック駅から貯水池までは少し距離があるが、貯水池近くでは今年10月に操業を開始する予定のMRTダウンタウン線(第3期)の駅が建設されており、アクセスの向上が見込まれている。

 

一方、駅の南側には、海岸沿いに10キロメートル以上続くイーストコーストパークがあり、散歩やサイクリングには持ってこいの環境。海岸沿いには桟橋もあり、特に週末は釣りを楽しむ人で賑わう。イーストコーストパークへは、べドック・インターチェンジからのバスを利用するといいだろう。将来的には、2019~2024年にかけて開通する予定のMRTトムソン・イーストコースト線がイーストコーストパーク付近を走る予定であるため、交通面での利便性も高まるとみられる。

 

実は、この現在の海岸線は1960~1980年代に行われた埋め立て工事によって形成されたもの。ナショナル・ヘリテージボードによると、埋め立てに伴い、このエリアの主要産業もそれまでの農業や水産業から工業へと変化し、日本を含めた海外企業の工場進出も進んだという。同エリアのHDBは、工場で働く人たちの受け皿にもなっていった。

 

ショッピングセンターなど生活に必要な施設がひと通り揃っているほか、周囲には自然も多いベドックは、シンガポールの中でも暮らしやすいエリアのひとつと言えそうだ。「ヘリテージ・トレイル」として、各所にそのエリアの歴史を伝える看板も立てられているので、休日などを利用して歩いて回ってみるのも面白いのでは。

 

べドックのおすすめスポット
べドック・マーケットプレイス

 

タナメラ駅から北東に歩くこと約15分、「べドック・マーケットプレイス」と呼ばれるホーカーセンターが目の前に現れる。敷地内にはショップハウスを模したデザインの店舗が並び、ワーゲンなども飾られている。他のホーカーセンターとは一風変わったおしゃれな雰囲気が特徴だ。飲食店もカリブ料理レストランや、サワードゥ(ライ麦と水が原料の酸味のあるパン種)ブレッドを販売するベーカリーなど個性的。ここでラーメン店「Kokoro」を経営するアルフレッドさんは「ここには、一般的なホーカーセンターとは違う珍しい料理を出す店が多く、日本人もよく訪れます」と話す。ホーカー巡りはそろそろ飽きてきた……という人も、一度足を運んでみては。

 

住所 : 348 Bedok Road Level 2, Singapore 469560
https://www.facebook.com/thebedokmarketplace