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ノビーナ

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オーチャードからMRT南北線で2駅の場所にあるノビーナ。シンガポール中心部から近く、通勤にも便利であるなど、日本人にとっても暮らしやすく人気のあるエリアのひとつといえるだろう。多くの医療機関が集まっているのも特徴で、今後もさまざまな関連施設が建設される予定。シンガポールの医療の発展においても重要な役割を担っている。

 

MRTノビーナ駅を降りると、すぐにショッピングモールのノビーナ・スクエアがある。スーパーマーケットや雑貨店、多くの飲食店などが入居しており、生活に必要なものはほぼ揃えることができる。ノビーナ・スクエアは、Velocityと呼ばれるスポーツ用品店の集まるモールともつながっている。屋外にはバスケットボールのコートがあり、スポーツ関連のイベントも開催されるなど、Velocityは地域におけるスポーツコミュニティとしての役割も果たしている。

 

駅から少し歩くと、大型ショッピングモールのユナイテッド・スクエアがある。玩具店のトイザラスをはじめ、子供向けの商品やサービスを扱う店舗が多く入居しているのが特徴で、週末になると家族連れなどで賑わう。このほかユナイテッド・スクエアには、チキンライスの有名店で2015年に日本にも進出した、ウィーナムキーの本店もある。リーズナブルな値段で本格的なチキンライスを楽しむことができる同店には、多くの客が足を運ぶ。

 

キリスト教の教会が多数存在
ノビーナ教会は改修工事中

ノビーナを歩いていると気づくのが、キリスト教の教会の多さだ。同エリアの教会の中でも最大の規模を誇るのが、MRTノビーナ駅の近くにある聖アルフォンソ教会(通称ノビーナ教会)だ。豪州から渡ってきたカトリック教会の修道士達がトムソン・ロード沿いに教会を設立したのが起源で、1950年に現在の場所に移転し、多くのクリスチャンが訪れる場所として知られていた。現在ノビーナ教会は、施設の拡張工事のため閉鎖されており、工事は今年11月に終了する予定となっている。

政府が掲げる「HealthCity Novena」プラン、今後も医療機関を整備

医療機関が多く集まっていることも、ノビーナの大きな特徴と言える。2005年にはノビーナ・メディカルセンター、2011年にはノビーナ・スペシャリストセンターがそれぞれ開設しており、これらの建物には日系のクリニックを含む多数の医療機関が入居して、さまざまな医療ニーズに対応している。

 

街の中心部には、政府系の大型医療機関であるタン・トクセン病院(TanTockSeng Hospital:TTSH)がある。同病院に勤めるChenJiayiさんによると、同病院はシンガポールで最も古い歴史を持つ医療機関のひとつ。1844年、商人で慈善活動家であるタン・トクセン氏の寄付により、貧しい住民に医療サービスを提供するため、チャイナタウン近くのパールズヒルに病院が設立されたのが始まりだ。その後TTSHは1909年にノビーナへ移転、現在の規模にまで発展していった。

 

ノビーナでは、今後さらに多くの医療関連施設が建設される見通しだ。シンガポール政府は2013年に「HealthCityNovena」プランを発表、2030年までにTTSHの周辺に感染症や皮膚病に関するケアセンターや教育・研究機関を一体的に整備する計画を掲げており、現在もTTSH周辺では関連施設の工事が進んでいる。2030年までには、ノビーナの医療機関におけるベッド数は、シンガポール全体の4分の1にまで増える見通しという。またノビーナには、オアシアホテルといった宿泊施設も複数あるため、メディカルツーリズム(居住国とは異なる国・地域に渡り、高度な医療サービスを受けること)による患者の受け入れ先としての役割も期待されている。

 

他のエリアに比べて目立った観光名所は少ないものの、都心部にも近く、買い物スポットや医療機関も充実しているノビーナ。同エリアのコンドミニアムには、古くから日系企業の駐在員らが多く住んでおり、日本人にとっても暮らしやすい環境が整っていると言えるだろう。シンガポールで住居を探している人は、同エリアの物件も候補に加えてみてもいいかもしれない。

 

ノビーナのおすすめスポット
ノビーナの医療の歴史を伝える
タン・トクセン病院ヘリテージミュージアム

 

TTSHの建物内に2001年にオープンした、同病院の歴史を伝えるミュージアム。TTSHの歴史を紹介する年表が当時の写真とともに展示されているほか、注射器や聴診器、ベッドなど19世紀頃に実際に使われていた医療器具なども見ることができる。1965年のシンガポール独立後も、同国の医療の発展に貢献してきたTTSHの歩みを知ることで、国立博物館といったメジャーな施設とはまた違った角度から、シンガポールの歴史の一端を知ることができるだろう。このミュージアムは「HealthCityNovena」プロジェクトの中にも組み込まれており、2030年までにTTSH近くに専用の建物が建設される予定だ。

住所 : 11 Jalan Tan Tock Seng, Singapore 308433
https://www.ttsh.com.sg/TTSH-Heritage-Museum