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不動産探しで注意したい、中華正月(春節)の影響 : 2017年

317web_PacificNet筆者がシンガポールに赴任した1986年2月9日は偶然にも春節の元日で、店舗やレストランのほぼ100%が閉店でした。近年は2日目から営業を再開するところも多く「今は昔」の感がありますが、不動産関係者の多くは実質最低でも1週間は休業となる為、不動産探しや改装工事・修理などが大きな影響を受けます。今年の中華正月(春節)は、1月28日(土)からです。

 

 

オフィス賃貸:
一番大きな影響を受けます。オフィスの内装工事(新装・原状復帰工事)の職人はマレーシアや中国からの出稼ぎが多く、帰省で半月ほど不在にするのが通例。さらに、中華正月前に引渡す案件に労力を集中するため、今の時期から、2月半ばまではオフィスの内装工事は、大変難しくなります。住宅のペンキ塗りや床磨きなどの大工仕事も影響を受けます。

 

住宅賃貸:
例年2月半ば~4月末は、日本人駐在員の住宅探しの「ラッシュ・アワー」。年間の人事異動のほぼ半数がこの時期に集中します。今年は、中華正月で家主や家主側エージェントの活動が停滞する「松の内」が1月末~2月8日(水)頃となるので、2017年の「住宅探しラッシュ」のスタートは2月10日頃からになるでしょう。

既存契約の「更新」交渉は早めが有利:
「ラッシュ・アワー」の対策は、「時差通勤」。すでに借りている住宅の契約満期がこの時期で、更新を希望する場合は、より早めの交渉開始が借り手にとって有利です。早めに交渉すれば、部外者からの入居オファーに先んずることが出来ます。

 

新規の家探しを有利に進めるには「即入居」が有利:
家主にとって空室期間は損失で、一般的には待っても1ヵ月。ピーク時期は、2週間程度しか待ってくれない場合も多く、見込み客の間で競り合いになった場合「即入居」に近いほど交渉が有利です。ただし、中華正月前だけは例外で、家主も春節に枕を高くして寝たいため、1ヵ月半程度は待ってくれます。

 

年度末帰国者物件は、入居可能時期に要注意:
お子様のいるご家庭では、終業式を終えてから3月末に帰国されることが多いのですが、その空き物件に補修工事をして新規入居可能になるまでには、退去後約半月を要します。
家主の口車に乗せられ焦って入居すると、未修理による不具合のために後悔することもあります。

 

不動産業者の資格・評判を事前に確認する:
昨今の日本企業の進出ブームに乗じ、自称コンサルタントや、政府認定業者であっても当地宅建資格を保有しない無資格の外国人営業マンが多くいるようです。違法行為であり、消費者トラブルの元にもなりかねません。必ず宅建主任者証(Registered Real Estate Salesperson)を確認しましょう。