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シンガポールの住宅標準仲介手数料は?

家探しを依頼する前に、必ず確認を
シンガポールでは、なぜ標準仲介手数料が公示されていないのかという質問をよく頂戴します。その理由は、2004年10月に競争法(一種の反カルテル・独占禁止法)が制定されたことによります。不動産仲介業界に限らず、医師会なども含め、業界団体が標準報酬を決定・公開することは違法行為として禁止されました。それに伴い、不動産エージェントと消費者は、自由・個別に手数料を決められる事になっています。消費者としては、不動産仲介業者に業務を依頼する場合、事前に仲介手数料を確認しておかないと、あとで揉めることにもなりかねませんのでご注意下さい。
アジア人同士ということもあり、シンガポール人とのやり取りには大変親近感が持てますが、不動産の取引慣行は日本とは大きく異なります。

 

現状の住宅仲介手数料相場
「料率決定は市場に任せる」という方針は、実際には今に始まったことではありません。実質的にシンガポールの不動産仲介手数料相場は、世界でも最も低い料率となっています。相場としては、概して下記の表の通りです。

仲介手数料は成功報酬が一般的で、事前に特約がない限り、希望の物件が成約できなかった場合には、貸主・借主ともに支払い不要です。なお、仲介手数料とは性格が異なりますが、当地には、日本のような「(貸主への)礼金」制度はありません。

賃貸契約更新料
更新時に仲介業者を利用するか、直接交渉するかは、家主と借主に選択権があります。仲介業者を利用する場合の手数料は、一般的に新規契約の場合に準じますが、交渉可能です。

 

手数料の両取り禁止
2010年8月に不動産仲介業者法が制定され、利害相反を防止するため、当地では同一の仲介人が、売主・買主あるいは貸主・借主双方から手数料を取る事が禁止されました。その他の規制事項としては、仲介業者の貸金・立替え禁止があります。仲介業者は、業者免許以外に、営業担当者 「全員」 が取引主任資格取得を義務付けられるなど、日本の宅建法より厳しい内容になっています。