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風水&美食で縁起のいい旧正月

この前正月を祝ったと思ったら、来週2月8日、また正月がやってきます。そう、旧正月(Lunar New Year, Chinese New Year)も盛大に祝うのがシンガポール。この時期はいい年を迎えることができるように縁起のいいものを身の回りに置いたり、身につけたり、そして食べたりします。すぐに生活に 取り入れることができる風水と、華人コミュニティで親しまれている正月料理を紹介します。

風水師は立春を年初として新年の運勢や風水を占いますので、今年は2月4日から2017年の立春である2月3日までの運勢をみることになります。ここではフライングスター風水と中国暦から、今年1年の運勢をみてみましょう。

フライングスター風水で占う

年運星で部屋やオフィスのレイアウトをチェック!

フライングスター風水とは?
古代中国の天文学に由来する風水術で、その起源は紀元前2637年まで遡ります。北斗七星に由来する九つの星(エネルギー)が、建物の中でどのように分布しているかを調べ、吉の作用を持つ“吉星”を強め、凶の作用を持つ“凶星”を弱めにすることによって、財運や健康運を高めます。シンガポールでは、マリーナ・ベイ・サンズのほか、オーチャード・ロードにあるION、ウィーロック・プレイス、スコッツ・スクエア等にもフライングマスター風水が使われています。他の風水術との決定的な違いは、星のエネルギーは20年ごとに変化するという、時間の経過を考慮に入れることです。また、各建物に固有に存在する星のほか、毎年方位を変えて飛んでくる星もあります。この星を年運星と呼びますが、どの建物にも同じ方位に飛来します。

2016年に対策が必要な4つの年運星と、その飛来する方位は、以下のフライングスターチャートの通りです。

 

 

年運星2
病気を引き起こす可能性のある星です。2016年は中央に飛んできます。家やオフィスの中央に寝室やデスクがある場合は、金属製のコインを6枚置いて下さい(金属の色、種類はどれでもOK)。

ラッキーカラー:黒、白、金、銀等のメタリックカラー

 

年運星3
喧嘩、揉め事、泥棒を招く可能性がある星です。2016年、家やオフィスの北西にエントランス、寝室、デスクがある人は、赤い紙または赤い陶器を置いて下さい。

ラッキーカラー:赤、ピンク、オレンジ、紫

 

年運星5
不運や災難を招く可能性がある大凶星です。2016年、家やオフィスの北東にエントランス、寝室、デスクがある人は、ドアノブ等に金属製のウインドチャイム(金属同士がぶつかって音を出すもの)を掛けて時々鳴らして下さい。

ラッキーカラー:黒、白、金、銀等のメタリックカラー

 

年運星7
法律問題やスキャンダルを起こす可能性のある星です。2016年、家やオフィスの北にエントランス、寝室、デスク等がある人は、水だけで育つ植物(ミリオンバンブーなど)を3本置いて下さい。

ラッキーカラー:緑、青、黒

 

世界地図に年運星をあてはめると?
フライングスターチャートは古代中国で生まれたため、中国を中心として各国の方位を見ます。中国北東部(北京)や朝鮮半島、日本、アメリカのニューヨークやワシントンD.C.などの東海岸などで、疫病や災害などに関するニュースがあるかもしれません。

 

中国暦で占う

漢字二文字で表す生まれ年
古代中国科学で生まれた暦は、年、月、日、時間をそれぞれ漢字二文字で表します。この漢字二文字は、天の気を表す十干(天干)と地の気を表す十二支から成ります。十干も十二支も、それぞれ木、火、土、金、水のエレメントを表します。

 

この5つのエレメントの相関関係から新年がどのような年になるのか、ある程度わかります。相関関係とは、生じる関係と破壊する関係の2つです。2016年は「丙申(ひのえさる、へいしん)」という二つの漢字で表されます。これは天の気は火、地の気は金の年であるということを意味しています。火は金を破壊する関係である、ということから今年は昨年に引き続いて国際的な緊張が高まる可能性があります。

 

 

十二支占いで個人の運勢をチェック!
2016年は「丙申」の年であることから、十二支の「申」との関係性から読み取っていきます。なお、ここで紹介する十二支占いは、1月1日から立春(例年2月3日または4日)の間に生まれた人は前年の十二支となります。例えば、今年1月30日に生まれた赤ちゃんは、申年ではなく前年の未年生まれとなります。

 

子年生まれ:ラッキー!
エネルギーが高まって、自信と活力に満ちた1年になるでしょう。勢いあまって後で後悔することのないよう、舌禍等には気をつけて過ごしましょう。

ラッキーアイテム:花、ハーブ

 

丑年生まれ:要注意!
元気が空回りしてしまいそうな気配があります。思い通りにことが運ばず、イライラする場面があるかもしれませんが、上手にストレスを解消しましょう。

ラッキーアイテム:ゴールドのアクセサリー

 

寅年生まれ:要注意!
急な変化があるかもしれません。積極的に旅行をすると嫌な変化を避けることができます。転職やお引越しには良い時期です。

ラッキーアイテム:蛇のチャーム。素材は石、メタル、木など、何でもOK

 

卯年生まれ:ラッキー!
とてもラッキーな年です。出張や旅行などで忙しく飛び回る1年になりそうです。お休みの日は森林浴やガーデニングで気分転換しましょう。

ラッキーアイテム:グリーンのハンカチや小もの

 

辰年生まれ:ラッキー!
周囲の人達と協調して、楽しく過ごせる1年になるでしょう。今年知り合った人とは長い付き合いになるかもしれないので、人との出会いを大切にしましょう。

ラッキーアイテム:黒いバッグや靴

 

巳年生まれ:社交運、異性運アップ!
社交運が上がります。しばらく音信不通だった人から突然連絡があるかもしれません。海やプールなど、水辺で素敵な出会いがありそうです。

ラッキーアイテム:陶器の小物

 

午年生まれ:旅行運アップ!
旅行や出張等、移動する機会が増える年になります。特に、南方位に旅行するとエネルギーが高まります。太りやすい年でもあるので、食べ過ぎに注意しましょう。

ラッキーアイテム:グリーンのハンカチやアクセサリー

 

未年生まれ:ラッキー!
とてもラッキーな年です。積極的に行動しましょう。今まで足踏み状態だった事柄が動き出す1年になりそうです。

ラッキーアイテム:花やプラント

 

申年生まれ:要注意!
人間関係には恵まれますが、予定通りに事が進まない、思いがけないことが起きるなど気が抜けない年になるかもしれません。小さな怪我にも気をつけて下さい。

ラッキーアイテム:蛇のチャーム。素材は石、メタル、木など、何でもOK

 

酉年生まれ:社交運、異性運アップ!
社交運、異性運が活発な1年になります。既婚者はあらぬ疑いをかけられないよう、行動には注意しましょう。

ラッキーアイテム:赤いハンカチやアクセサリー

 

戌年生まれ:旅行運アップ!
旅行運が上がります。パートナーとのちょっとした口喧嘩が増えるかもしれませんが、旅行でストレスを発散しましょう。

ラッキーアイテム:赤いハンカチやアクセサリー

 

亥年生まれ:要注意!
人間関係で苦労があるかもしれません。ストレスをためないためにも、自分が心からリラックスできる時間や場所を大切にしましょう。

ラッキーアイテム:蛇のチャーム。素材は石、メタル、木など、何でもOK

 

藤木梨香子
家を新築する際、フライングスター風水という耳慣れない風水の存在を知り、マレーシアと香港の風水マスターより直々に、風水と八字(生年月日を陰陽五行に置き換えて運勢をみる術)を学ぶ。2010年、両師の認定試験に合格後、プロとしての活動を開始。2012年、シンガポールに本部を置く国際風水協会(International Feng Shui Association、IFSA)で、日本人として初の風水マスターの認定を取得。2016年現在、日本人としては唯一のマスター風水コンサルタント。現在は風水コンサルテーションのほか、日本とシンガポールで風水セミナーや風水講座を不定期で開催している。2010年、マレーシアの風水マスター、ジョイ・ヤップ師の『ピュア風水』の翻訳本を出版。 http://fujikifusui.jp

 

国際風水協会(International Feng Shui Association、IFSA)とは?
正統な風水の国際的な普及を目的として、2004年にシンガポール、マレーシアの有志の風水マスター達によって設立されたNPO法人。現在は旅行業を手掛けるTTG Asia Media社長のダレン・ウン氏を会長として、28ヵ国から参加する110名の会員を擁する。オーストラリア支部、ドイツ支部もあり。日本人会員は計7名。  http://www.intfsa.org

現在シンガポール総人口の74.3%(2015年)を占める華人コミュニティには、そのルーツに基づいた方言グループ(Dialect Group)があり独自の料理があります。そのうち大きな3つのコミュニティである福建、潮州(テオチュウ)、広東の料理が楽しめるレストランで旧正月に人気のメニューを紹介。中国料理の奥深さを知るとともに、縁起がいい食材をおいしくいただきましょう。

福建料理

栄養価の高い食材を煮込む決め手はブラックソース
中国南東部に位置する福建省をルーツに持つ福建の方言グループは、シンガポールの華人の中で最も大きく、40%以上(2010年)を占めています。福建系の人たちが旧正月や誕生日、結婚式などめでたい時によく食べているのが、ナマコとダックの煮込み。福建料理の泉馨園(Quan Xiang Yuan チェンシンユエン)エグゼクティブシェフのアルフレッド・オウさんによると、その昔中国本土では高価で普段は食べることができなかった食材を使った、特別な日にふさわしい料理なのだそう。「ナマコやダックは栄養価が高く、体にいいとされる食材です。さらにハーブ、豚すじ、しいたけ、セロリ、トマトなどもいっしょに煮込みます。3時間煮込んだダックはやわらかく、ほろほろと口の中でとろけるような味わい。まろやかな味わいのブラックソースを使い、見た目が濃いのが福建料理の特徴です」。旧正月に食べて滋養をつけ、1年を乗り切りましょう!

 

3代目店主のトー・チェンキアさん(写真左)とエグゼクティブシェフのアルフレッド・オウさん。トーさんはフィッシュモー(Fish Maw、魚の浮袋)スープを発明した人だそう。
ナマコとダックの煮込み(Braised Sea cucumber with Duck)。泉馨園の名物料理の1つで、旧正月期間中だけでなく毎日提供。
泉馨園 Quan Xiang Yuan Restaurant
創業は1930年代に遡る老舗の福建料理店。現在の店舗は1981年に開業。福建麺、プロウンロールなど正統派の福建料理が楽しめる。
252 Jalan Besar, Singapore 208925
Tel: 6294-6254 / 6292-9251  www.quanxinyuan.com.sg
営業時間 毎日11:30-14:30, 17:30-22:30
※旧正月2月8日(月)は休業。その他は通常営業。

潮州料理

縁起のよい多彩な食材を1つの鍋に新年に調和を願う旧正月料理
潮州(テオチュウ)は中国広東省東部の市で、シンガポールの華人グループの中では福建系に次いで人口が多いといわれています。人気潮州料理店Chui Huay Lim Teochew Cuisine(ズェイフアリン)では、旧正月期間中にPen Cai (盆菜)を提供。アワビ、ナマコ、魚の浮袋、生ホタテ、干しホタテ、活エビ、豚のすじ肉、ローストダック、豚バラ、エノキタケといった食材は豊穣、富裕の象徴とされ、多彩な食材を一つの鍋で煮込むことには人々の一致団結、調和の意味も込められています。そのほかのおめでたい料理として蒸しマナガツオ(Pomfret)に年年有余(ゆとりある生活)、子豚のローストには大鱼大肉(たくさんのごちそう)、フカヒレスープは大鹏展翅(大きく羽ばたく)、干しホタテと8種類の野菜の煮込みに花开富贵・黄金满屋(繁栄、富裕、豊穣)を象徴しています。潮州料理には素材の持ち味を活かすという特長があり、あっさり且つ、さっぱりとした味わいがあります。

ペンツァイは、宋朝時代にモンゴルに攻め込まれた時、若い皇帝は兵士とともに現在の広東省あたりに逃れ、
地元の人々が最高の食材を集めて料理し、もてなしたという伝説がある料理。

■Chui Huay Lim Teochew Cuisineのフェスティブ・ペンツァイ(盆菜)は2月22日(月)まで提供。前日までに要予約。

醉花林 Chui Huay Lim Teochew Cuisine
1845年設立の潮州出身者たちの社交クラブ「Chui Huay Lim Club」内にあり、地元の食通たちで常ににぎわう予約必須の店。700名まで利用可能な宴会場もある。
190 Keng Lee Road, #01-02 Chui Huay Lim Club Singapore 308409
Tel: 6732 -3637  www.chlteochewcuisine.com.sg
営業時間 11:30-15:00, 18:00-23:00 ※旧正月2月8日(月)は17時開店。その他は通常営業。

広東料理

スープが主役を務める中国料理  新年を祝う高級食材をふんだんに
中国大陸の南にあり、南シナ海に面した広東省エリアにルーツを持つシンガポールの華人は福建、潮州に次いで多いとされます。広東料理は世界で最も普及している中国料理と言われており、シンガポールでも在星日本人に人気のレストランが多くあります。「李白 Li Bai Cantonese Restaurant」もその1軒。広東料理ではスープが重要な位置を占め、同店でも旧正月中には燕の巣、魚の浮袋、ナマコ、ジンセン、干しホタテ、アワビなど12種類以上の最高級食材をふんだんに使って煮込んだ薫り高いスープBuddha Jumps Over the Wall(佛跳牆)が人気。これに使われる食材はいずれも繁栄、豊穣、富裕を象徴したものです。特製のスープ鍋に入って提供される姿も、新年を迎えるのにふさわしい一品と言えます。
広東料理は、四川料理や福建料理に比べて油や塩の使用は抑え目で、食材本来の味と香りを引き出すのが特長。滋養の高いスープをつくるために鶏肉や豚肉がよく使われます。

Buddha Jumps Over the Wallというユニークな名前は、清朝の時代に寺院で瞑想中
だったお坊さんがこのスープから漂ういい香りにたまらず壁を飛び越えたという伝説にちなむ。

■Li BaiのBuddha Jumps Over the Wallは前日までに要予約。

李白 Li Bai Cantonese Restaurant
優雅な雰囲気の中で宮廷料理の伝統に基づく広東料理を楽しめる。ビジネスでの食事や飲茶も人気。名物メニューはホタテの煮込みカニ肉と卵のせ、子羊肉黒コショウコース、豪州産ロブスターなど。
39 Scotts Road, Sheraton Towers Singapore, Singapore 228230 Tel: 6839-5623
www.sheratonsingapore.com/li-bai 営業時間 月~土曜日 ランチ 11:30-14:30
ディナー18:30-22:30 日曜日 飲茶 10:30-14:30 ディナー 18:30-22:30