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2016年2月2日

風水&美食で縁起のいい旧正月

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現在シンガポール総人口の74.3%(2015年)を占める華人コミュニティには、そのルーツに基づいた方言グループ(Dialect Group)があり独自の料理があります。そのうち大きな3つのコミュニティである福建、潮州(テオチュウ)、広東の料理が楽しめるレストランで旧正月に人気のメニューを紹介。中国料理の奥深さを知るとともに、縁起がいい食材をおいしくいただきましょう。

福建料理

栄養価の高い食材を煮込む決め手はブラックソース
中国南東部に位置する福建省をルーツに持つ福建の方言グループは、シンガポールの華人の中で最も大きく、40%以上(2010年)を占めています。福建系の人たちが旧正月や誕生日、結婚式などめでたい時によく食べているのが、ナマコとダックの煮込み。福建料理の泉馨園(Quan Xiang Yuan チェンシンユエン)エグゼクティブシェフのアルフレッド・オウさんによると、その昔中国本土では高価で普段は食べることができなかった食材を使った、特別な日にふさわしい料理なのだそう。「ナマコやダックは栄養価が高く、体にいいとされる食材です。さらにハーブ、豚すじ、しいたけ、セロリ、トマトなどもいっしょに煮込みます。3時間煮込んだダックはやわらかく、ほろほろと口の中でとろけるような味わい。まろやかな味わいのブラックソースを使い、見た目が濃いのが福建料理の特徴です」。旧正月に食べて滋養をつけ、1年を乗り切りましょう!

 

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3代目店主のトー・チェンキアさん(写真左)とエグゼクティブシェフのアルフレッド・オウさん。トーさんはフィッシュモー(Fish Maw、魚の浮袋)スープを発明した人だそう。
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ナマコとダックの煮込み(Braised Sea cucumber with Duck)。泉馨園の名物料理の1つで、旧正月期間中だけでなく毎日提供。
cny-food6_web泉馨園 Quan Xiang Yuan Restaurant
創業は1930年代に遡る老舗の福建料理店。現在の店舗は1981年に開業。福建麺、プロウンロールなど正統派の福建料理が楽しめる。
252 Jalan Besar, Singapore 208925
Tel: 6294-6254 / 6292-9251  www.quanxinyuan.com.sg
営業時間 毎日11:30-14:30, 17:30-22:30
※旧正月2月8日(月)は休業。その他は通常営業。

潮州料理

縁起のよい多彩な食材を1つの鍋に新年に調和を願う旧正月料理
潮州(テオチュウ)は中国広東省東部の市で、シンガポールの華人グループの中では福建系に次いで人口が多いといわれています。人気潮州料理店Chui Huay Lim Teochew Cuisine(ズェイフアリン)では、旧正月期間中にPen Cai (盆菜)を提供。アワビ、ナマコ、魚の浮袋、生ホタテ、干しホタテ、活エビ、豚のすじ肉、ローストダック、豚バラ、エノキタケといった食材は豊穣、富裕の象徴とされ、多彩な食材を一つの鍋で煮込むことには人々の一致団結、調和の意味も込められています。そのほかのおめでたい料理として蒸しマナガツオ(Pomfret)に年年有余(ゆとりある生活)、子豚のローストには大鱼大肉(たくさんのごちそう)、フカヒレスープは大鹏展翅(大きく羽ばたく)、干しホタテと8種類の野菜の煮込みに花开富贵・黄金满屋(繁栄、富裕、豊穣)を象徴しています。潮州料理には素材の持ち味を活かすという特長があり、あっさり且つ、さっぱりとした味わいがあります。

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ペンツァイは、宋朝時代にモンゴルに攻め込まれた時、若い皇帝は兵士とともに現在の広東省あたりに逃れ、
地元の人々が最高の食材を集めて料理し、もてなしたという伝説がある料理。

■Chui Huay Lim Teochew Cuisineのフェスティブ・ペンツァイ(盆菜)は2月22日(月)まで提供。前日までに要予約。

cny-food5_web醉花林 Chui Huay Lim Teochew Cuisine
1845年設立の潮州出身者たちの社交クラブ「Chui Huay Lim Club」内にあり、地元の食通たちで常ににぎわう予約必須の店。700名まで利用可能な宴会場もある。
190 Keng Lee Road, #01-02 Chui Huay Lim Club Singapore 308409
Tel: 6732 -3637  www.chlteochewcuisine.com.sg
営業時間 11:30-15:00, 18:00-23:00 ※旧正月2月8日(月)は17時開店。その他は通常営業。

広東料理

スープが主役を務める中国料理  新年を祝う高級食材をふんだんに
中国大陸の南にあり、南シナ海に面した広東省エリアにルーツを持つシンガポールの華人は福建、潮州に次いで多いとされます。広東料理は世界で最も普及している中国料理と言われており、シンガポールでも在星日本人に人気のレストランが多くあります。「李白 Li Bai Cantonese Restaurant」もその1軒。広東料理ではスープが重要な位置を占め、同店でも旧正月中には燕の巣、魚の浮袋、ナマコ、ジンセン、干しホタテ、アワビなど12種類以上の最高級食材をふんだんに使って煮込んだ薫り高いスープBuddha Jumps Over the Wall(佛跳牆)が人気。これに使われる食材はいずれも繁栄、豊穣、富裕を象徴したものです。特製のスープ鍋に入って提供される姿も、新年を迎えるのにふさわしい一品と言えます。
広東料理は、四川料理や福建料理に比べて油や塩の使用は抑え目で、食材本来の味と香りを引き出すのが特長。滋養の高いスープをつくるために鶏肉や豚肉がよく使われます。

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Buddha Jumps Over the Wallというユニークな名前は、清朝の時代に寺院で瞑想中
だったお坊さんがこのスープから漂ういい香りにたまらず壁を飛び越えたという伝説にちなむ。

■Li BaiのBuddha Jumps Over the Wallは前日までに要予約。

cny-food7_web李白 Li Bai Cantonese Restaurant
優雅な雰囲気の中で宮廷料理の伝統に基づく広東料理を楽しめる。ビジネスでの食事や飲茶も人気。名物メニューはホタテの煮込みカニ肉と卵のせ、子羊肉黒コショウコース、豪州産ロブスターなど。
39 Scotts Road, Sheraton Towers Singapore, Singapore 228230 Tel: 6839-5623
www.sheratonsingapore.com/li-bai 営業時間 月~土曜日 ランチ 11:30-14:30
ディナー18:30-22:30 日曜日 飲茶 10:30-14:30 ディナー 18:30-22:30

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