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シンガポール不動産「耳寄り情報」

2016年1月18日

不動産探しで注意したい、中華正月(春節)の影響 : 2016年

295_web当地での「お正月」本番は、日本で言うところの「旧正月」です。官公庁や現地公立学校は、法定祝日のみが休業・休校ですが、不動産関係者の多くは実質最低1週間休業となる為、不動産探しや改装工事・修理などが大きな影響を受けます。

 

オフィス賃貸:
一番大きな影響を受けます。オフィスの内装工事(新装、原状復帰工事共)の職人はマレーシアや中国からの出稼ぎが多く、半月以上帰省で不在にするのが通例。さらに、中華正月前に引渡す案件に労力を集中するため、2月に新規案件を引き受けられる内装業者はほぼ皆無です。工事の許認可にも通常より時間を要しますので、この時期、オフィスの改装工事には、最低でも1ヵ月は余計にかかります。4月1日業務開始での新規進出のご相談をよく頂戴しますが、内装工事を伴う場合今からでは間に合いません。その場合、当座はサービス・オフィスの活用を推奨します。

 

住宅賃貸:
通常、2月後半~4月末は日本人駐在員の住宅探しの「ラッシュ・アワー」。家賃も5~10%アップします。家主・家主側エージェントの活動が停滞する中華正月が今年は2月前半となるので、「ラッシュ・アワー」のスタートが2月15日(月)に集中することが、予想されます。

 

契約の「更新」交渉は早めが有利
「ラッシュ・アワー」の対策は、“時差通勤”。すでに借りている住宅の契約満期がこの時期で、更新を希望する場合は、より早めの交渉開始が借り手に有利です。早めに交渉すれば、部外者からの入居オファーに先んずることが出来ます。

 

新規の家探しを有利に進めるには?→「即入居」が有利
家主にとって空室期間は損失で、一般的には待っても1ヵ月。ピーク時期は、2週間程度しか待ってくれない場合も多く、見込み客間で競り合いになった場合「即入居」に近いほど交渉が有利。ただ、中華正月前だけは例外で、家主も春節に枕を高くして寝たいため、1ヵ月半程度は待ってくれます。

 

年度末帰国者物件は、入居可能時期に要注意
お子様のいるご家庭では終業式を終えてから3月末に帰国されることが多いのですが、その空き物件に補修工事をして新規入居可能となるまでには、退去後約半月を要します。家主の口車に乗せられ焦って入居すると、未修理の不具合だらけで後悔することもあります。

 

不動産業者の資格・評判を事前に確認する
昨今の日系企業の進出ブームに乗じ、自称コンサルタントや、政府認定業者でも当地宅建資格を保有しない無資格外国人営業マンが多く出現しているようです。違法行為であり、消費者トラブルの元にもなりかねません。必ず宅建主任者証(Licensed Real Estate Salesperson)を確認しましょう。

文=木村登志郎(パシフィック不動産株式会社CEO、シンガポール宅建士)

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.295(2016年1月18日発行)」に掲載されたものです。

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