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中薬を使ったお茶の基本・生姜茶

「中薬茶」、つまり漢方薬を使ったお茶を紹介していくにあたって、基本となるのが、生姜茶です。風邪のひき始めなどに、飲まれた経験がある方もいらっしゃると思います。風邪は万病のもとと言われるように、その風邪を撃退できる生姜茶は、万病薬とも言えます。生姜はほとんどの家で常備されているのではないでしょうか。

生姜はれっきとした中薬の一つです。まず身体を温め、発汗作用を促します。第二に吐き気、胸の不快感を取り除きます。第三に食物の解毒作用があります。これらは生姜を剥いた状態での効能で、面白い事に、生姜の皮には、身体を冷やす作用があり、利尿作用があります。中身を使うか皮を使うかで身体に及ぼす作用が違ってくるのです。では以下、生姜の功能を列挙いたします。

  1. 発汗、解熱
  2. 去痰、鎮咳
  3. 吐き気を抑える
  4. 身体を温たため、保温
  5. 解毒、殺菌
  6. 消化増進、胃腸功能を高める
  7. 抗掻痒症
  8. 抗潰瘍
  9. 強心
  10. 血圧の調整
  11. 予防血栓
  12. 意気を高める(気鬱の改善)

上述のように色々な効能を兼ね供えているのは、生姜が循環器、呼吸器の中枢を刺激し、身体の各細胞に働きかけ新陳代謝を促すからです。身体が温まる事で、身体の生理機能が増進し、身心共に充実し免疫力が高まるのです。

生姜茶の作り方

  1. 生姜を3ミリ位の厚さに切り、フォークなどで10箇所ほど刺す。
    これを好みによって2~4 片用意する。
    (面倒でなければ、生姜をすって絞り、好みで小さじ2~大さじ1)
  2. 用意した生姜と黒砂糖、または蜂蜜を好みの量、マグカップなどに入れお湯を注ぎ、蓋をして1~2分蒸らす。
    (生姜汁を使った時は、蓋はしなくてかまいません。)

さらに、こんな応用もできます。

  1. 冷え症に……お湯の替りに紅茶を使う。
  2. 疲労回復に…… 棗(紅棗)1個を生姜茶に入れて、蓋をして3分蒸らす。
  3. 吐きけ、胃もたれ、胃痛に…… 陳皮(みかんの皮を干した物)をいれ、蓋をして2分蒸らす。

陳皮は市販されていますが、みかんを食べた後の皮を天日で干すか、電子レンジで乾燥させても作れます。柚子の替りにお料理にも活用できますし、冷蔵庫で保存可能です。何はなくとも、ビール……だけではなく、生姜も冷蔵庫に常備してみてください。