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熱帯綺羅

2016年12月5日

メイド・イン・シンガポールのインディーズ映画

沖縄とシンガポール、ふたつの国を繋ぐ恋物語
『ジーマーミー豆腐』

「私達は観る人々の気持ちを鼓舞し、感動を与える映画作りを目標としているんです」と語るBananaManaのリー氏。そんな彼らが現在制作しているのは、沖縄とシンガポールが舞台の映画「JimamiTofu(ジーマーミー豆腐)」。ジーマーミー豆腐とは沖縄の郷土料理のひとつで、ピーナッツが原料の豆腐です。映画はこの料理を中心に、シンガポール人シェフであるライアンと日本人料理評論家のゆき、そして沖縄の人々との交流が描かれたラブストーリーとなっています。

 

映像には沖縄料理はもちろんのこと、私たちに馴染みのあるシンガポール料理も登場します。映画は現在、沖縄県の助成金を受けて制作真っ只中。来年2月に行われる予定の沖縄県主催のイベントで公開され、その後ネット配信、また日本とシンガポールを結ぶ飛行機のインフライト上映も予定されているそうです。「沖縄料理はシンガポールから来た自分たちには非常に独特ながら、どこか東南アジア、そして慣れ親しんだシンガポールの料理にも共通点があることに大変驚きました」(チャン氏)。映画のストーリ―構成を練るために初めて沖縄を訪れた2人でしたが、美しい沖縄の自然を見て回る間に、映画の構成もほぼ決まったといいます。

 

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現在制作中の映画『ジーマーミー豆腐』のワンシーンより。映像には沖縄の美しい景観と料理が数多く登場する(写真提供:BananaManaFilms)

 

そして、主人公のゆき役のキャスティングを行うためにインターネットで応募をかけたところ、あっという間に約150人もの応募が来ました。オーディションもスカイプで行い、素晴らしい俳優をキャスティングできたそうです。
予算の限られるインディーズ映画の立ち位置は決して楽ではありません。しかし、オーディションをスカイプで行うなど、インターネットの発展のおかげで様々な場面で予算を抑えることが可能になりました。「人生は一度きり。それなら、自分の好きなことをやりきるまで」とクリスチャン氏とジェイソン氏。世界各国の人々がネット配信を通じて彼らの映画を楽しむようになるのも、そう遠い未来の話ではないでしょう。

 

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撮影で使用する愛用のカメラ、SONY A75Ⅱ。今回の撮影でも大活躍したという
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『ジーマーミー豆腐』の撮影現場。沖縄での撮影は今年の10月と11月に行われた(写真提供:BananaMana Films)

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.315(2016年12月5日発行)」に掲載されたものです。取材・写真:平野 かほる

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