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エンジェルたちと過ごす、ピースフルな空間

一歩足を踏み入れると、部屋いっぱいの愛らしいエンジェルたち――ただそれだけで、何だか幸せな気持ちになって、誰もが思わず顔をほころばせる空間、「Tenthousandangels」。無垢なエンジェルたちは、笛を吹いたり、本に夢中になっていたり、ほかのエンジェルたちと戯れていたり、物思いにふけっていたり、夢見るような表情を浮かべていたり、安らかな寝顔を見せていたり、かわいくキスを交わしていたり――と、無邪気に様々な表情を見せてくれています。

 

 

キリスト教、ユダヤ教、イスラム教で神の使いとされるエンジェルですが、一般的に広く知られているのはキリスト教のエンジェル。中世のキリスト教絵画の多くには、背中に見事な翼を持った優美な青年の姿で描かれています。エンジェルが優しい女性的な姿や幼子の姿で描かれるようになったのはルネサンス期の14~15世紀頃。ローマ神話の愛の神クピドー(Cupid、英語読みはキューピッド)のイメージの影響と言われています。そして現在、エンジェルは、宗教を越えて、世界中で多くの人から愛されるモチーフのひとつとなっています。

エンジェルの姿から連想されることばは、「純真」、「愛情」、「平和」、「希望」といった、明るい前向きなイメージのもの。「Tenthousandangels」のプロジェクトマネージャーであるエイドリアンさん曰く、「ここへ来てエンジェルたちの姿を見ると、みな何かエモーショナルな変化を感じるんですよね。エンジェルには人の心を動かす力があります。そんなエンジェルたちをより多くの人達と分かち合いたい、また、そうすることで社会にも貢献したい、というのがこのコンセプト・ショップの始まりでした。」志を同じくする仲間4人が集まり、ショップをオープンしたのは昨年12月。アッパートムソンロードの、園芸店が軒を並べるエリアの裏通りでこぢんまりと始められました。エンジェルは宗教的に大きな意味を持つ存在であることにも配慮しつつ、よりユニバーサルな存在として、多くの人達にエンジェルたちとのライフスタイルを楽しんでもらいたい、との願いをこめて。

モダンなものを極力排したという店内は、木製の大きなテーブルやラックにたくさんのエンジェルたちがいるというシンプルな構成。ところどころに配されたフォトフレームやキャンドルスタンドはヴィクトリア調のアンティークなデザインで統一されていて、どこか懐かしいような温かみが感じられます。

エンジェルたちによってもたらされた売上げの一部は、開発途上国の学校、病院の建設などへの寄付金として活用されます。ゆくゆくは、東南アジアの中でエンジェルたちを製作する「エンジェル・ビレッジ」を作り、生計を立てる手段を必要としている地域の人々が自立するための支援を目指すという計画も。エンジェルたちがつないでくれる社会貢献、これなら誰でも気負うことなく参加できます。

アッパートムソンロード近くの店舗の営業は、実はこの4月末まで。5月からは、プラザ・シンガプーラに場所を移し、カフェを併設したショップに変貌を遂げて新たにスタートします。この号が出る頃は、6日のオープンを目指してエンジェルたちはお引越しの真っ最中。

新しいショップで、あまたのエンジェルたちをひとりひとり眺めながら、自分の家にどのエンジェルを一緒に連れて帰るか、あるいは、大切な家族・友達へのお祝いや、感謝の気持ち、愛情を伝える大事な役割をどのエンジェルに託すか、あれこれ悩みながら過ごすのも良し、カフェエリアでエンジェルたちに囲まれながらのんびりお茶を楽しむのも良し。エンジェルたちと過ごす自分流のライフスタイルを見つけてみては。