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常夏のクリスマスに輝くオーチャード・ロード

今年のオーチャードは「Christmas All Decked Out」

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オーチャード・ロード

オーチャードとスコッツロード交差点

 

 

年末の風物詩であるクリスマスライトアップが華やかに街を彩るこの季節。特にシンガポール随一のファッションストリート、オーチャード・ロードのライトアップは、島内でも一番の美しさを誇り、毎年趣向をこらしたデザインで、訪れる観光客、シンガポールで暮らす全ての人々を魅了します。今年のクリスマスライトアップのフェスティバル「Christmas in Tropic」は、1984年に最初のライトアップが施されてから過去最大の規模だとシンガポール政府観光局(STB)はいいます。今月7日から来年1月3日まで、西はオーチャードロードから、マリーナベイ、そしてシンガポールリバーのエリアまでが光で繋がります。

それぞれエリアごとにテーマがあり、異なる趣で楽しませてくれますが、注目のオーチャード・ロードの今年のテーマは、「Christmas All Decked Out」。ModernAgeデザイン事務所のエドワード・タン氏がクリエイティブディレクターを務めます。ファッションストリートをポップなイメージに明るく飾り、賑やかに登場するどこかコミカルな表情が愉快なクリスマスの人気者たちも、グラフィックデザインを操る氏ならではの表現かもしれません。

数々のイベントが企画されている中、注目なのは、久々に開催される建物ごとにその装飾の美しさを競う‘Best Dressed Building Contest’。一般のSMS投票で1位の頂点に輝いた建物には、賞金20万ドルが授与されます。コンペティションにエントリーしたのは、オーチャード・ロード東西2.2kmに立ち並ぶ、タングリンモール、IONオーチャード、ニーアンシティ、パラゴン、ヒーレンなど11の建物。それらのファサードには、ひときわ手の込んだデコレーションが見られます。デザインの美しさやオリジナリティもさることながら、エコロジーに配慮した点なども評価の対象になります。2階建てのオープントップバスが運行され、街頭で数々のパフォーマンスも行われるので、フェスティバルムードを存分に味わいながら、一票投じてみませんか。

参照 http://www.orchardroad.sg/christmas

オーチャードを照らす日系企業のパートナー

オーチャード・ロードのライトアップの実現に欠かせなかったのが、メインスポンサーのHITACHI ASIA社の存在。シンガポールに暮らす人々の毎日を明るく照らしたい、そんな企業の社会貢献活動の一環として、1991年にメインスポンサーの名乗りを挙げてから、今年で19回目を迎えます。

「HITACHIはクリスマスライトアップに欠かせない我々の大事なパートナー。毎年ユニークなテーマに沿ってライトアップを成功させてきた努力の甲斐あって、この時期にオーチャード・ロードを訪れる人も年々増え、カラフルに飾られたクリスマスのデコレーションと共に記念写真をとる地元の人々や観光客の笑顔で溢れています。これからも良好なパートナーシップを期待しています。」と、STB観光ショッピング&ダイニング部門ディレクターのアンドリュー・プア氏。そして毎年拡大する動員数のその先は、無論、シンガポールの経済効果への大きな貢献ともなっているのです。

また、今年はIONオーチャード、オーチャードセントラルがオープンし、開業間近のマンダリンギャラリーなど、オーチャード・ロードの風景が様変わりした一年でした。数年前から、URA(都市再開発庁、Urban Redevelopment Authority)のマスタープランにより、世界に誇るハイファッションストリートを目指して、オーチャード・ロードは徹底的な化粧直しの真最中。クリスマスイルミネーションとは別に、普段の街並みのライティングは、ライティングプランナーズアソシエイツの著名ライティングデザイナー、面出薫(めんでかおる)さんがアドバイスしています。クリスマスが終わっても、どんどん美しく進化するオーチャード・ロード、これからも夕涼みにそぞろ歩く機会が増えていきそうです。

Best Dressed Building Contest参加の建物の前