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生命力の源、水晶曼荼羅

クリスタル・ヒーリングまたはクリスタル・マンダラ・テラピーをご存じでしょうか。水晶やルビーの原石などが持っている輝きには霊気があり、それは私たちに力をもたらしてくれる。奇石の光を利用することでストレスを解消したり、ポジティブな気持ちになれるというのです。

中心から放射状に置かれているレンガ色の石が情熱の源・ルビーの原石

 

プリンセップ・プレースに「エイブル・アンド・トラスト サンタン・センター(Able N Trust SANTAN CENTER)」を運営するメーダ・タン(Medha Tan)さんは、幼いころから水晶や石に興味があったそうです。「最初に水晶を見た時は少し怖かったのですが、なぜか心が引かれたのです」。そして瞑想をするようになると、さまざまな形のきれいな石がイメージの中にあらわれました。やがて数多くの奇石が登場してパズルのように模様が形作られ、メーダさんに語りかけてきました。

そんな不思議体験の後、海外旅行のたびに世界各国で奇石の収集をして、曼荼羅のようなパターンを創るのがメーダさんのライフワークになったのです。

情熱の泉 Love Mandala

さまざまなストレスやトラブルを抱えた人たちがメーダさんを訪ねて来ますが、中でも「最近、パートナーとうまくいってません」とか「いい人との出逢いがありません」といった悩みを持ちかけてくる若い女性が多いそうです。そういう時にメーダさんは、6つのローズ・クォーツ(Rose Quartz)というピラミッド型の石を要とした星型のパターン“Love Mandala”を創ることにしています。ふたつの三角形を描く線はクンザイト(Kunzite)というピンクがかった白くて細い石。その中心に並べられているのはルビーの原石です。情熱の石、と呼ばれるルビーは結婚指輪としても人気がありますが、原石にもパッションを引き出してくれるパワーがあるということ。パターン全体を統括しているのはバイブレーションのバランスを保つという、クリア・クォーツ(Clear Quartz)。反対側にはどっしりとしたアース・キーパー、つまり地球を支える巨大なアメジストが鎮座しています。これはブラジルから運ばれてきたもので、3万5,000ドル(約220万円)相当。メーダさん曰く「値段とパワーは関係ありません。でも私がこの石に出会った時、強烈なインパクトを感じて持って帰ったのです」。星型から外れた斜め横には、大きくはないけれど控え目な光を放つ石がさりげなく置かれています。「これは私の先生。いつも見守ってくれています」とメーダさん。知性の石ピンクトルマリンです。“Love Mandala”に使われている石の多くはラフな原石ですが、中央にはいくつか磨かれた宝石も散りばめられています。蝋燭の火に照らされて、ちかちかと輝く石を眺めていると、気分がとても良くなってきます。ここで瞑想したり、石の間を歩いたりすると閉ざされていた心が開かれたり、モチベーションが高められたりするそうです。

収集した石は大事にケアして、常に話しかけている、というメーダさん

アース・キーパーと呼ばれるアメジストの原石は威風堂々

水晶の霊気とパワー

この曼荼羅を形創っているのは、太古の地球で育まれた水晶や奇石です。その光、輝きは衰えることはなく、磨かれたり擦られたりすることでいっそう強くなってゆく。だから私たちはそこに不思議な力を感じたり、霊気が宿っていると信じるのでしょう。

メーダさんはクリスタル・マンダラ・テラピーのほかにも、水晶(クリスタル・ボール)やタロット・カードを使った占いも行っています。水晶を両手で包みこむように支えると、メーダさんが上から手のひらをかざします。すると水晶に触れている両手が温かくなり、少し痺れるような感じになってきます。水晶を見つめていると、それを支えている人の今の心象風景、そして将来の様子が見えてくるのだそうです。占いはただ将来に起きることを予測するだけではありません。むしろ、今悩みを抱えている人の心を癒し、ポジティブな気持ちになるようなアドバイスをすることが大事だそうです。「今は昔と比べられないほど生活が忙しくダイナミックになっています。それなのに人々は感情を抑えなければなりません。そのギャップに私たちは翻弄されているのです。ですから瞑想したり、水晶からパワーをもらうことでリフレッシュしてもらえたらうれしいです。」きれいな水晶や奇石に囲まれての瞑想。それはとても贅沢なひとときに違いありません。

クリスタル・ボールには近未来を予測するパワーが秘められている

テラピーの時も占いの時も、常にメーダさんが正しい判断をできるように見守ってくれる「先生」