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スーパーカー・ライフを提案する「Hamilton Scotts」

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バルコニーから見渡す景色は、オーチャード・ロードに近い場所とは思えないほど緑が多く、高層階からは高級住宅地の家並みや周囲のコンドミニアムを見下ろすことができます。そしてリビングルームをはさんで反対側のガラス越しに見えるのは赤いフェラーリとランボルギーニ。まるでスーパーカーのショールームかのようにディスプレイされています。ここはスコッツ・ロード沿いに建てられたばかりの「ハミルトン・スコッツ Hamilton Scotts」。赤や青、緑、黄色の光を放つ、車専用のエレベーターがこのコンドミニアムの目印です。

 

アジアで初のスカイ・ガレージ

F1ドライバーと同じ名前が付けられたこのコンドミニアムは30階建てで地下にも駐車場を併設していますが、スーパーカーを自宅リビング前のスカイ・ガレージと呼ばれる車庫に納めることができます。建物の地下で車を降りて、バイオメタリック・スキャナーによって車を専用エレベーターに誘導。エレベーターに移動した車はその後、自動的に持ち主が住むユニットの階まで引き上げられて、車庫スペースに駐車されるというわけです。スーパーカーのオーナーにとっては、夢のような住まい。こうした車専用エレベーターを備えたコンドミニアムはアジア圏では初めてで、今年初めの販売開始後から画期的なシステムとして話題を集めました。

30階建てのコンドミニアム内にスタンダード・タイプのユニットが52戸、ジュニア・ペントハウスが2戸、ペントハウスが2戸あります。スタンダードには車2台分、それ以外の4戸には4台分の車庫が確保されています。

 

都心にもかかわらず、広々としたプール、ジェットバス、ジム、BBQピットなどフル・ファシリティーを備えたこの高級コンドミニアム。気になるお値段はスタンダードが900万Sドル、日本円にして約6億円です。ペントハウスは3,000万Sドルから。すでに40%以上を販売済みですが、ペントハウスはまだ販売中で、モデルルームの見学も可とのこと。

 

好調のスーパーカー・ビジネス

1980年代、シンガポールにフェラーリは20台しかなかったそうです。それが今やフェラーリ・クラブまであるほど、フェラーリの数は増えており、推定100台以上。しかもスーパーカーはフェラーリだけではありません。ランボルギーニ、マセラティ、ポルシェなどさまざまなスーパーカーが小さな島に数多くあるのです。スーパーカー・オーナーの会、エキゾティック・カークラブなる会員制クラブも3年前に創設されました。今、メンバーは150人ほどまで増えています。

 

このクラブのイベントは壮観です。赤やオレンジ、白や黒やシルバーのスーパーカーが100台も集まり、早朝のハイウエイを疾走するというもの。クラブのメンバーたちの話によると、中にはスーパーカーを10台以上も保有するコレクターも珍しくないそうです。コレクターの一人はビジネスが忙しく海外出張も多いので、10台以上もの車をケアする暇がなく、スーパーカー・コンシェルジュなる専門家に自宅ガレージに日参してもらって、エンジンをかけたり、時には運転してもらって、自分が乗りたい時にすぐ乗れるようなコンディションを保っているそうです。

 

そのスーパーカー・コンシェルジュ曰く、「僕は車の子守りみたいなもの。カー・シッターです」。スーパーカー・コレクターたちのリクエストに応えてイタリアまでカー・アクセサリーを買い付けに行くこともあるとか。自らも所有するスーパーカーを駆って、コレクターたち自慢のスーパーカーの“子守り”に走り回っています。

 

増えるスーパーカーとそのコレクターたち。彼らの熱い注目を浴びたのが「ハミルトン・スコッツ」でした。オーナーの一人は庭付き一戸建てに住みながら、毎朝10台ものスーパーカーのうち、その日の気分で選んだ1台を運転してこのコンドミニアムに駐車するそうです。そしてビジネス・エンターテインメントには、リビングルームを開放してパーティーを主催。映画の1シーンのようなスーパーカー・ライフを演出する、「ハミルトン・スコッツ」。クリスマスの装飾が煌めく街の中で、その車専用エレベーターは一段と光り輝いています。