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熱帯綺羅

2013年1月1日

シンガポールの夜空を彩る打ち上げ花火

 

シンガポールの花火事情

Screen Shot 2015-07-28 at 4.12.57 pm国土面積が小さいながら人口密度が高いシンガポールでは、住民の安全を確保するために花火の取り扱いについていろいろと厳しく制限が設けられています。

 

まず、打ち上げ花火をはじめ屋外で実施する場合は、1ヵ月以上前に申請して内務大臣の許可を得る必要があります。さらに、警察、民間航空庁、空軍、もちろん会場の地主の許可も得なければなりません。当日の万一の事態に備えて、民間防衛隊、消防署にも予め連絡が必要です。屋内でのコンサートやパーティ、マジックショー、新製品発表会で演出に使用されるパイロテクニックなどでも3週間前に警察の許可を得る必要があります。

 

会場まで花火を運ぶ際にも規定があります。花火を積んだ車の運転が許されるのは、危険物を運搬する車両の運転許可証を保有するドライバーだけです。

 

シンガポールでは花火の製造は禁止されているため、スティーブンさんの会社では中国やアメリカ、ヨーロッパなどから輸入しているとのこと。トレーニングのために、日本やアメリカなど国外の提携先企業へ行くことも多いそうです。

 

さまざまな手続きや調整、準備と膨大な作業もこなさなければならない花火の仕事に10年以上携わってきたスティーブンさんに、この仕事の一番良いところは?と尋ねてみました。「きれいな花火を打ち上げて、大勢の人に喜んでもらえるのが何よりです。毎回これがベストだ、と思いながらやっています。イベントやテーマに合わせて、どの色で、どの大きさの花火を、どのタイミングで何発打ち上げるか、といったことを考えるためにはクリエイティブであることも求められます。楽しいですし、やりがいがありますね。お金を儲けたかったら、もっと違う仕事をした方が良いと思いますが(笑)」。

 

スティーブンさん達は、東南アジア各国や中東など海外でのプロジェクトにも積極的に参加し、ビジネスを拡大するだけでなくレベルアップを図り続けています。1月24日から開催されるリバー・ホンバオで打ち上げられる花火を担当するのも彼ら。「10分間で1,000発以上の花火を打ち上げる予定です。水中花火も使って、ダイナミックで華やかな花火をお見せします。ぜひ見に来て楽しんでください」。

 

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.226(2013年01月01日発行)」に掲載されたものです。
文= 石橋雪江
写真=Andrew JK Tan

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