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熱帯綺羅

2013年3月4日

「日本人街」の歴史も知る丘の上の邸宅 Emily Hill

 

シンガポールのクリエイティブ産業を育てる場所

Screen Shot 2015-07-28 at 3.47.54 pm日本領事館としての役割を終えて70年あまりの歳月が流れた現在、この大邸宅は「エミリー・ヒル」と名付けられ、シンガポールのクリエイティブ産業育成のために活動する人々、およびそのサポートを受けて活動するクリエイターたちが集う場所になっています。

 

「エミリー・ヒル」が目指しているのは、クリエイターを支援するだけでなく、彼らが活動し続けるための商業的なフィールドや市場を形成すること。アート関連のマネジメントに携わる人材の育成コースや、短期集中でマーケティング、ファイナンス、法律関連の基礎知識を学べるコースなどを持つ学校も設けています。俳優養成学校もあって、様々な国籍の学生達が3年間のディプロマコースで学んでいます。

 

一般の人々を対象としたワークショップやイベントには、エミリー・ヒルで制作活動を行っているガラス工芸家や彫刻家などが講師を務めることも。ここにオフィスを構えてクリエイティブ系の雑誌出版やギャラリー運営を行っている企業もあります。

 

エミリー・ヒルでの新たな取り組みが、フリーランスのクリエイター達と、アートやデザイン関連の企業、メディアなどをつなぐためのコミュニティ「シックス・ディグリーズ(Six Degrees)」の運営。より柔軟性の高い、ダイナミックな関係が構築されることで、クリエイティブ産業の発展につながることが期待されています。

 

邸宅の一部はバーになっていて、夕刻になるとエミリー・ヒルのクリエイター達はもちろん、周辺に住む人々などが集い、好みのドリンクを片手に気ままなおしゃべりを楽しんでいます。

 

シンガポールのクリエイティブ産業の未来を切り開く可能性を秘めたエミリー・ヒルでのさまざまな活動を、1世紀以上の時を知る白亜の邸宅が見守っています。

 

11 Upper Wilkie Road Singapore 228120

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.229(2013年03月04日発行)」に掲載されたものです。
文= 石橋雪江
写真=石橋雪江

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