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熱帯綺羅

2013年5月6日

シンガポールを見下ろす700年、「フォート・カニング・ヒル」の今昔

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現代的な町並みが常に注目されがちなシンガポールですが、この小さな島の歴史は、少なくとも14世紀にまで遡れます。その700年の歴史と共にあり、現在は市民の憩いの場となっている標高わずか163mの丘、フォート・カニング・パーク(Fort Canning Park)。その名を時代と共に変えながら、ここに暮らす人々を見守ってきました。

 

「禁じられた丘」、王族たちへの畏怖と敬意をこめて

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この丘についての最も古い記述は、16世紀に書かれた東南アジアの歴史書『スジュラ・ムラユ』に見られます。1299年にスマトラの王子サン・ニラ・ウタマがシンガポールに辿り着き、後に4代にわたる王とその家族がこの丘で暮らし、王族たちが沐浴した池や、神聖な墓所がありました。長年地元の人々が立ち入ることは禁じられたことから「禁じられた丘(Forbidden Hill)」と呼ばれていました。外敵の攻撃によりシンガポールから逃れた最後の王で、後にマラッカ王国を築き1420年頃に亡くなったラジャ・イスカンダル・シャーがのちにこの丘に埋葬されたと言われており、そのケラマ(keramat、墓)は、寺院として今でも人々からの信仰を集めています。1984年から始まった発掘作業で、当時の王族の装飾品だと考えられる黄金の腕飾りやガラスなどの物証が数々見つかるなど、彼らの足跡が確認されています。

 

 

最後の王が去った後、支配者を失ったこの丘は、シンガポールに1814年に上陸したスタンフォード・トーマス・ラッフルズ卿に再び見出されました。

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