シンガポールのビジネス情報サイト AsiaX熱帯綺羅TOP28年ぶりの新硬貨、国のランドマークをデザイン

熱帯綺羅

2013年10月7日

28年ぶりの新硬貨、国のランドマークをデザイン

 

貨幣から歴史を学び、時代を映す新硬貨を見る

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昔から交易の重要拠点だったシンガポールに流通した通貨の歴史は非常に興味深く、造幣局がチャイナタウンで運営する「シンガポール貨幣博物館(Singapore Coins and Notes Museum)」を訪ねると、この地で使用されてきた通貨から様々な歴史を紐解くことができます。物々交換に使用された貝や米、塩や陶器などの展示に始まり、スペインやオランダ、中国との交易が盛んになり相手国の貨幣での取引が行われていたころの各国の貨幣の展示、さらにイギリス植民地統治時代の貿易通貨としてイギリスの貨幣の展示が続きます。また、第二次世界大戦中の日本軍占領下に大量に発行された軍票(バナナが描かれた紙幣から、通称「バナナマネー」)もあり、戦後一夜にして紙クズになってしまったことも紹介されています。独立以降、国の威信をかけて発行された歴代のカラフルな紙幣や第1〜第3シリーズの硬貨も全て展示されています。

 

 

シンガポール造幣局は記念硬貨の鋳造のような特殊技術に優れていて、外国の記念硬貨の鋳造も委託されている上、数多くの受賞歴を誇っています。ブータン国王の御成婚を祝う記念硬貨や仏陀(ブッダ)の記念硬貨シリーズは特に有名で、その他にも、マカオ、タイ、カンボジアの記念硬貨も鋳造しています。貨幣博物館スタッフによれば、日本人には鮮やかな色合いの蘭の花シリーズが人気だそうですが、これもまたシンガポールにあるカラー印刷技術が光る記念硬貨です。

 

 

シンガポールの歴史とともに変化してきた通貨や、世界的に注目される国際都市として生み出す様々な記念硬貨も、この国の多様性を象徴して輝いているようです。

 

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この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.243(2013年10月07日発行)」に掲載されたものです。
文= 佐竹伸子
写真=Eugene Chan

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