2013年10月21日
緑の木々と小鳥のさえずりに囲まれて温泉気分「センバワン・ホット・スプリング」
軍用地の中にある憩いの場
入口から鉄条網付きのフェンスに囲まれた小道を数百メートル歩くと、小さな広場に出ます。かすかに硫黄の匂いがするその広場にはパイプが3ヵ所に設置され、そばにプラスチックのバケツや椅子がいくつも置かれていて、誰でも自由に利用できます。
蛇口をひねってみると、温泉水が勢いよく出てきます。ただし、摂氏60度以上とかなり高温で、気温35度近い炎天下でも湯気が上がるほど。多くの人は、お湯をバケツに汲んでしばらく放置し、ある程度冷ましてから足を浸しています。平日の午後には学校帰りに立ち寄って、全身ずぶ濡れになって遊ぶ子供たちの姿も。
1世紀以上にわたってさまざまな人々を癒してきた温泉は、シンガポールのちょっと変わったオアシスとして今も人々に親しまれています。
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Sembawang Hot Spring singapore
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.244(2013年10月21日発行)」に掲載されたものです。
文= 石橋雪江
写真=Eugene Chan