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熱帯綺羅

2013年11月18日

埠頭からシンガポールの変遷を眺めるクリフォード・ピア

 

クリフォード・ピア開港80周年

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マリーナ・ベイを貯水池とする国策のもと、マリーナ・バラージのダムの建設、サウスマリーナ・ピアの完成を待って、2006年に埠頭としての歴史に幕を降しました。その後の再開発を経て、今は建物の外観が昔日の名残りを伝えるのみで、高級ホテルとして知られるフラトンベイホテルの一部となり、今も各国からのゲストを日々迎えています。
今年で開港80周年を迎えたクリフォード・ピアは、それを記念して「クリフォード・ピア:人々の心に残る場所」展をフラトンベイホテルのロビーで開催。その歴史と共に人々の回想録が展示されていました。
30年間埠頭の管理人だったレイモンド・ホーさんによると、埠頭はまるで人生劇場、ギャンブルやアルコール中毒の夫に悩まされた妻や家族が海に身を投げる場所としても知られていたとか。広東語や福建語を話す年老いた女性移民たちが、寄港した船の煙突掃除など過酷な労働をしていたことなど、「我々の祖先である移民たちがどれほど苦労した50、60年代があったことか。現代の生活がいかに恵まれているかに気づかされる」とも。

 

 

ホテルのラウンジが「ランディング・ポイント」と名付けられた粋に感心しながら、水辺を眺め往時に思いを馳せると、どこかから雑踏の音や汽笛が聞こえてきそうです。

 

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80 Collyer Quay Singapore 049326

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.246(2013年11月18日発行)」に掲載されたものです。
文= 桑島千春
写真=桑島千春

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