2014年6月16日
190年の歴史を刻むタングリン・ビレッジ散歩
タングリン・ビレッジとして開発
1989年以降、ほぼ廃墟となったこの土地を昔の外観を活かしたまま再開発を行い、一般市民の憩いの場として再生させたのがシンガポール国土庁(Singapore Land Authority)です。この一帯を新たにタングリン・ビレッジと名付け、2006年にデンプシー・クラスターに佇む11棟の建物を中心に開発が始まりました。それに先駆けて2005年12月にPS.Caféがオープンし、2006年には2年に1度の現代アートの祭典「シンガポール・ビエンナーレ」が初開催された際のメイン会場としても使用され、多くの人が訪れました。
今でこそシンガポールで話題のお洒落なスポットとなりましたが、デンプシー・クラスターから北東にあるローウェン・クラスターまでの道のりには当時の面影が残る空き家が多く、少し散歩するだけでこの地域がどのように変化してきたのか手に取るように分かります。リノベーションが施され、快適な空間に生まれ変わったカフェに腰を下ろして熱帯雨林の風に吹かれると、時の移ろいとともにタングリン・ビレッジが辿った歴史を肌で感じることができるかもしれません。
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Tanglin Village SINGAPORE
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.259(2014年06月16日発行)」に掲載されたものです。
取材・写真:平野かほる、桑島千春