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Employer's Voice

2013年12月2日

航空会社の総務担当として赴任して

全日本空輸株式会社 総務アシスタントマネージャー 成田健太郎 業種:航空運送業

1986年に国際線定期便事業を開始した当社は、1991年に東京とシンガポールの間の定期便の運航を開始し、今年10月より最新鋭のボーイング787型機をシンガポール路線に導入しました。当地シンガポールでは、日本から派遣されたスタッフと就航以来当社を支えているシンガポールのスタッフが一緒になってお客様に快適な空の旅をお届けするべく、日々努力を続けています。
私は今年7月より、総務アシスタントマネージャーとしてシンガポールにおける総務・経理・広報等の業務を担当しています。今回は航空会社の置かれた環境と当地に赴任して感じたことを記させて頂きます。

ここ数年で、航空業界の競争環境は大きく変わりました。日本における航空自由化の推進、羽田空港からの国際線路線網の拡大、ローコストキャリアの台頭、中東の航空会社の急拡大等、新たな需要が創出される一方で競争が激化しています。このような環境の中、海外における知名度の向上と利用者の拡大が課題の一つになっています。
当地赴任後、最初に感じたことは社内スタッフ間の情報量の差です。全ての情報が英語で閲覧可能な環境になっておらず、周知文書・メール等日本語のみで送付される場合があることが大きな理由です。他方、我々が課題としている海外における自社の知名度を高め利用者の拡大を図っていくためには、シンガポールをベースにして働くスタッフと現在の競争環境や会社の向かっている方向性をこれまで以上に見える化・共有化し、一丸となって迅速に課題を解決していく必要があります。情報差がその障害にならないよう、日本語を使う側が意識をすべき点だと思います。

また、スタッフ一人ひとりの業務が就職当初から営業・総務等、明確になっている点も、日本とシンガポールの違いだと感じています。この仕組みは専門性を高めやすい一方、自分の業務領域のみに集中してしまうリスクがあると思います。我々のように多くのスタッフの力で一機の飛行機を運航している会社にとって大切なことは、チームワークです。自らを与えられた業務のみに限るのではなく、抜けや落ち度がないか、それぞれのパフォーマンスが最大化されているかを一人ひとりが考え、チーム全員で実践することが課題を乗り越える際に必要な力だと思います。
当社が日本とシンガポールを繋ぎ始めて20年強ですが、これからもお客様に選んでいただける会社になるように、チーム一丸となって努力をすると同時に、自分もチーム力を高められるように自己鍛錬をしていきたいと思います。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.247(2013年12月02日発行)」に掲載されたものです。

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