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社説「島伝い」

2011年8月2日

これからも起きること

ここ数ヵ月の間に、豪雨による浸水被害がシンガポール国内で度々発生しています。特に6月のオーチャード・ロードでの浸水は、古いビルの地階にあった商店や、地下駐車場での被害が甚大でした。7月にも、ブキティマやアッパートムソン、テロッククラウで豪雨による大規模な浸水被害が発生しました。また、豪雨で樹木の倒壊なども相次ぎ、先日はついに車を直撃して運転席にいた方が亡くなるという痛ましい事故が起きてしまいました。

 
シンガポールでは、これまで長年に渡って洪水対策が進められており、公益事業庁(PUB)も昨年12月には3年間で6,750万Sドル(約42億円)を投じて排水路拡大を進めると発表、対策に取り組んできました。

 
上記のPUBの発表の中で、「洪水が起きるのはモンスーン期の11月から1月」という説明がありました。10年前までのシンガポールでなら、この説明を特に気に留めることもなかったでしょう。しかし、特にここ5年ほどは雨季と乾季の境目が曖昧で、その説明があてはまらなくなってきているようです。これも地球温暖化の影響のひとつと見て良いでしょう。

 
とすれば、最近の異常とも言える豪雨や浸水被害は、同様のこと、あるいはそれ以上の被害をもたらす事態が起きる可能性が今後もある、と考えておく必要があるのではないでしょうか。水害が発生しやすいとされる地区だけでなく、シンガポールのどこでも起こりうることと認識して、自分達でできる対策を真剣に考え、進めるべきでしょう。地球温暖化による気候の変化は、今後も進むことはあっても以前の状態に戻ることはおそらく無いのが現実です。日本でも今年は梅雨の間に各地で豪雨による被害が出ていますし、中国では深刻な洪水被害が多くの命を奪っています。

 
もちろん、浸水被害への対策は個人だけでできるものではありません。国としても個人の浸水対策を支援する体制作りが必要でしょう。例えば、ブキティマやオーチャード・ロードで排水路の水位が一定の高さに達した場合に、PUBが商店など事業者に対して氾濫警報をSMSで知らせるサービスについて、一般市民への通知も検討しているとのことですが、早急な実現が望まれます。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.172(2010年08月02日発行)」に掲載されたものです。

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