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社説「島伝い」

2012年2月20日

外国人居住者の憂鬱

改めて言うまでもなく、シンガポールはここ10年ほどで本当に大きく変わりました。2003年のSARS騒動や2008年のリーマン・ショックなどの影響による大きな変動もありましたが、やはり経済成長の速さには目を見張るものがあります。ビジネス環境も整っており、クリーンで外国人に対してもフェアなシステム、役所関係の手続きの迅速さなど、我々にとってもありがたいものです。

 
その代償なのかもしれませんが、昔に比べると物価が随分高くなりました。外国人にとって特にネックになるのが家賃。10年ほど前の3~4倍になっている物件も珍しくありません。当時ならユニットが借りられたような金額でも、今となってはシェアで部屋借りをすることも難しい状態。予算内で借りられる部屋がどんどん減っています。

 
外国人が住むコンドミニアムは、家主はごく普通のローカルの方だったりします。自分達はHDBに住み、コンドミニアムは投資の対象として所有。外国人は居住可能な物件が限られるので借り手に困ることは無く、家賃は市場価格に敏感に反応して上がります。そんな状況を利用して不動産詐欺を働くケースもあるようです。実際に被害にあった方がウェブ上で公開している情報によると、舞台はメンバー登録制のサイト。家主は海外在住、当分シンガポールには戻れないので部屋を貸したいと、相場よりも割安な家賃を提示。喜んで契約の意志を伝えると、送られてきた契約書にも特に不備はなく、身分証明書や不動産の所有を証明する書類のコピーなどもきちんとしているそうです。デポジットと家賃2ヵ月分をすぐに送ってほしい、時間がかかる電信振替より国際送金の方が早い、と勧められて国際送金で送ったが最後、その後の連絡はつかず、メールに書かれていた電話番号にかけてみてもつながらず、ようやく詐欺だと気付いたそうです。

 
数年前に不動産エージェントがライセンス制になった時に、そこまでしなくても、という声もありましたが、シンガポール政府がこの政策を取ったことは正しかったようです。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.206(2012年02月20日発行)」に掲載されたものです。

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