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社説「島伝い」

2014年3月17日

外国人への「おもてなし」

シンガポールが再び日本人観光客の注目を集めているとの記事が最近ありました。旅行会社も三世代向けパックツアーなど従来とは違った旅行商品を開発し、力を入れているようです。

 
シンガポールの新観光名所として人気が高いのは、やはり「マリーナ・ベイ・サンズ」。ホテルがある3棟の高層ビルや、その上部に船を乗せたような形のスカイパークは、地震大国の日本ではなかなかお目にかかれない構造です。さらにマリーナ・ベイ地区には、新しいスタイルの都市型植物園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」や、大観覧車「シンガポール・フライヤー」などの見どころもあります。毎年9月にはこの一帯の公道がサーキットに一変し、F1グランプリレースが開催されます。

 
日本人観光客にとってシンガポールは、日本から比較的近くて時差が少なく、ツアーの料金も手ごろと、かなり行きやすい旅行先。インフラが整い、治安面での不安が小さいのも利点です。これまであまり海外旅行に興味がなかった層も今後シンガポールを訪れることが期待されています。

 
日本の外に出て、外から日本を見ることは、我々にさまざまな気付きを与えてくれます。異なる文化を自分の目で見て触れることで、相手の国と自分の国との違いや、それぞれの良さもわかります。また海外を訪れて経験したことから、自分の国や地域で海外からの訪問者を受け入れるには何が必要なのかを考え、行動するきっかけにもなるでしょう。日本政府は外国人観光客の誘致に積極的に取り組んでいますが、海外からの観光客数を増やすだけでなく、日本人が海外を訪れることが外国人への「おもてなし」を本物にするためにも必要です。

 
また、日本と世界各国の間の人々の行き来をより活発にするためには、日本の情報を海外で継続的に発信し、現地の人々に知ってもらうことも重要で、日本に興味を持ち、実際に訪れる人々を増やすことにつなげる必要があります。シンガポールから和食の情報を発信する英語媒体『OISHII』第1号が4月1日付で発行されますが、同誌での情報発信が微力ながらもその力になれることを願っています。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.253(2014年03月17日発行)」に掲載されたものです。

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