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社説「島伝い」

2014年8月18日

携帯端末利用の心得

シンガポールでは近年様々なことが大きく変わってきましたが、そのひとつが車を取り巻く環境。かつて車はステータスシンボルでしたが、今では複数台を所有する一般家庭も珍しくありません。過去10年で急増したと言われるシンガポールの人口の増加率が約31%であるのに対し、自動車の登録台数は約37%も増えています

 
車が増えて問題になったのが交通事故の増加。飲酒運転の取り締まりも以前に比べて非常に厳しくなりました。また最近、道路交通法の改定案が提示され、運転時の携帯端末の使用がより厳しく罰せられることが明らかになりました。運転しながら携帯電話を手に持った状態での通話やメッセージ送信は以前から禁止されていましたが、その範囲を携帯端末全般に拡大、ネットサーフィンやソーシャルメディアの閲覧、動画のダウンロードなども禁止事項に加えられています。ただし、ホルダーに固定した状態での携帯端末の使用は運転中でも引き続き可とのことです。

 
世界的にもいち早くスマートフォンが普及したシンガポールでは、携帯端末はもはや仕事にも日常生活にも欠かせないツール。通話やメッセージのやり取りはもちろん、スケジュール管理やクラウドサーバーへのアクセス、各種アプリの利用など用途も多岐にわたっています。運転中でもついつい携帯端末に手が伸びてしまうケースが多いようです。しかし違反すると、初犯の場合で最高1,000Sドル(約8万2,000円)の罰金か最長6ヵ月の禁固刑、またはその両方、再犯の場合は初犯の倍という、かなり重い罰則が定められています。運転中に他のことに気を取られるリスクは、それだけ重大ということでしょう。

 
携帯端末はいつでもどこでも必要な情報にアクセスできるだけでなく、ブログやソーシャルメディアでの情報発信に利用する人も圧倒的に増えています。このように社会状況が大きく変わると、それに合わせたルール変更もいち早く行われるのがシンガポール。携帯端末についても、その便利さに気を取られてうっかり違反することのないように、この国の最新のルールをしっかり理解する必要があります。正しく使いこなしてこそ、ビジネスの強力な武器にもできるのですから。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.263(2014年08月18日発行)」に掲載されたものです。

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