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社説「島伝い」

2015年12月7日

「年末までの時間の使い方」

早いものでもう師走、シンガポールでは12月決算の企業が多く、年間目標達成を目指してラストスパートの真っ最中、というところもあるでしょう。今年の会計年度中に完了させなければならないプロジェクトの進行がヘイズ(煙害)などさまざまな要因で遅延して、その遅れを挽回すべく頑張っているケースもあるかもしれません。

 

「今年のことは今年のうちに」と頑張ることは多いのですが、今月中にやり遂げるには少々手強い仕事や課題が出てくると、つい「年明けでいいか」という言葉が出てしまいがち。誰かがそう言うのを聞いて思わず「そうだよね」と同調してしまったことに心当たりのある人も多いのではないでしょうか。人間は感情の動物であり、楽な方向にふらふらと行きたい誘惑にかられるのは、ある程度仕方がないのかもしれません。
しかし、本当に年明けでいいのかはやはり考えどころ。せっかく迎える新しい年は、前年と同じことをただ漫然とやるのではなく、新たなスタートとして始めたいものです。そこで提案したいのが、年末までの時間の使い方。前半と後半に分けて、前半は今年中にやっておくべきことに注力し、後半は1月からのスタートへの備えを中心に進める、というやり方です。

 

シンガポールの場合、毎年1月下旬~2月中旬の間に旧正月休みという大型連休が控えています。来年の旧正月は2月8日。その前後の1~2週間はあまり物事が動かなくなることを考えると、1月のスタートダッシュは一層重要です。
スタートダッシュをかけるためには、相応の準備が必要。走ることに例えれば容易に想像がつきます。速く走るためには練習が必要。1月になっていきなり走っても、ダッシュと言えるほどのスピードが出なかったり、スピードは出たもののケガをしてしまう恐れがあります。

 

2016年に好スタートを切るためにも、年末までの期間を前半と後半に分けて今年を締め括るだけでなく来年にも備える考え方、ぜひご一考を。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.293(2015年12月7日発行)」に掲載されたものです。

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