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表紙の人

Vol.340

2018年11月27日

青木 里沙さん

OMNIBUS PARTNERS PTE LTD Director


 三重県松阪市出身。中学校卒業後、高校には進学せずに、東京大学経済学部を卒業したという珍しい経歴を持つ。一般に高校に通う3年間のうち2年間は独学でデザインを勉強し、3年目に大検を受け、そのまま東大に合格した。在学時にはほぼ全員が外資系金融機関に進んでいた金融工学ゼミに所属。「M&Aが注目されており、金融業界はとても華やかに見えていた」と当時を振り返る。リーマン・ブラザーズへの就職が内定していたが、4年生の秋にリーマン・ショックが発生し、内定企業が突然経営破綻する事態に遭遇したものの、同社の欧州・アジア部門を買収した野村證券に入社し、その後、米系運用会社、米系ヘッジファンドを経て、不動産投資会社で新規上場(IPO)を担当したのち、家族の転勤に伴って2017年3月にシンガポールに移住した。

 

 創業メンバーとしてM&Aの仲介やコンサルティングを行うOmnibus Partnersを立ち上げたのは昨年末。以来、シンガポール現地企業として、東南アジア地域で、主に事業売却の意向を持つオーナーサイドに立った支援をしている。「業種を問わず需要の大きさを感じています。クロスボーダーでのM&Aになることが多く、意思決定スピードなど両社間のカルチャーに違いがあります。各国・各地域の文脈が分かる現地スタッフとともに、背景を理解しながら売り手と買い手の橋渡しをしてきます。今が頑張り時です」。チームビルディングに注力する中で「シンガポールには3カ国語話せる人も多い」と中国語の習得も目指している。

 

 プライベートでは「もともと好きだったこと、直感を大切にすること」を心掛ける。引越に伴い電子ピアノを部屋の中央に設置した。「子供の頃、弾いていたものですが、懐かしくなってきました。再び始めたいと思っています」。

 

 一方、課題にも向き合っている。「運動は好きではなかった」が、週一回1時間、筋トレを始めた。早速、成果が表れ始めており、「腕立て伏せができるようになった。これまでは、どうやら体勢が間違っていたらしい」と笑顔で話す。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.340(2018年12月1日発行)」に掲載されたものです。

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