幼いころから音楽に深く関わってきたSachiyoさんは、5歳からピアノを習い始め、高校では声楽を学んだ。20代のうちに、一生の仕事を始めたいと考え、会社を辞めて音楽の道に進むことを決めたという。
当初は東京都内のライブハウスを中心に活動。シンガポールで覚えたマレー語や中国語の歌を、ジャズ風にアレンジして歌ったところ評判だったという。またシンガポールの音楽をテーマに自主制作したアルバムが、シンガポールの政府機関や関連団体などの目に止まり、両国間での文化交流事業などで歌う機会も増えていった。
両国が外交関係樹立50周年(SJ50)を迎えた昨年は、雅楽師の東儀秀樹氏やシンガポールの歌手ディック・リー氏らとのコラボレーションによるコンサートを開催。また東日本大震災が起きた2011年以降、シンガポールのミュージシャン達とともに毎年、東北で復興支援コンサートを開くなど精力的に活動を続けている。
シンガポールで暮らした期間が長かったこともあり「一般的な日本人とは違った感性を持っている」と、自分のアイデンティティについて悩んだ時期もあったというSachiyoさんだが、「悩んだら動く」という持ち前の行動力を武器に、「自分の感性を音楽活動に生かす道を見つけることができた」と自身の半生を振り返る。
音楽活動20周年を迎える今年7月29日(土)には、シンガポールの著名ポップス歌手であるジミー・イェー氏をゲストに招き、エスプラネードで記念コンサートを開催する予定だ。
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