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表紙の人

Vol.301

2016年5月2日

村山 拓也さん

Japanese Restaurant kacyo Director

栃木県出身。早稲田大学スポーツ科学部卒業。7歳から父の影響で柔道を始め、学生時代は体育会柔道部で主将を務めたほか、全国大会で上位入賞を果たすなど輝かしい成績を収めた。これまでの柔道人生について、「大きな怪我もたくさんしましたが、柔道のおかげでたくさんの人に出会い、学び、今の基盤を作ることができました」と振り返った。

 

大学卒業後は、柔道を続けるため警察官になったが、半年で辞めてしまったという。「大学ではスポーツのエリート集団、学生起業家など将来の夢に向かって努力している友人に囲まれていたので、自分の世界が広がりました。漠然と、社長になって何か自分の力でビジネスをしたいと考えるようになっていたんです」。その想いは警察官になっても消えることはなく、退職後はフードビジネスの世界に飛び込んだ。

 

その道に進むきっかけを与えてくれたのは、銀座にある和食店「花蝶」を運営する株式会社フードワークス代表取締役社長の宮本圭一氏との出会いだった。警察官になることが決まり大学卒業を控えた頃、社会に出る前にアルバイトをしてみたいと行きつけの焼鳥店で働いていた時、来店した宮本氏が村山さんの体つきの良さを見て、何かスポーツをやっていたのかと尋ねた。早稲田大学の柔道部で主将だったことを伝えると驚きの表情を見せたという。「宮本社長は慶應義塾大学の柔道部出身で、僕が出場した柔道の早慶戦を観戦していたそうです。ライバル校の主将であり、僕が8人抜きをしたことが印象に残っていたらしく、『あの村山君か!』と覚えていました。実はその時、絶対にビジネスの世界の方が面白いと猛烈な勧誘を受けたんです」。村山さんはその運命的な出会いがあったからこそ今の自分があると語った。

 

フードワークスに入社後、現場で2年間、飲食店ビジネスのノウハウを叩き込まれ、海外事業を展開するため2014年8月に来星。2015年にはベトナムのホーチミンに花蝶の海外1号店、2016年2月にはシンガポール店をオープンさせた。目下の目標は花蝶シンガポール店を軌道に乗せること。そして世界に広めること。近年、和食店が増加しているシンガポールで同店が成功すれば今後の東南アジア展開にも弾みがつく。村山さんは和食業界でも“1本”をとるべく、これから世界を舞台に挑戦を続けていく。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.301(2016年5月2日発行)」に掲載されたものです。

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