2010年にはKEISUKEシンガポール出店のために家族と来星。ダイレクターに就任し、順風満帆かと思いきやそうではなかった。当時、シンガポールでは「ラーメン=豚骨」のイメージが根強く、海老のダシでとった海老そばを看板メニューにしていた同店の業績は振るわなかった。業績悪化のあおりで開業から1年後に家族と共に一時帰国。しかし、会社がシンガポールでの形態を豚骨ラーメンに切り替えてからは着実に業績が伸び、再び単身赴任で来星。現在は8業態、9店舗を経営するまでになり、佐藤さん自身も店舗管理、料理開発、物件探し、店舗立ち上げ業務など、現場から売上管理まで多岐にわたる業務を担当している。
休みの日は、今や趣味ともいえる郊外のショッピングモール巡り。息抜きの意味もあるが、シンガポール人のトレンドリサーチがメインだという。「自身の苦い経験から言いますと(笑)、“日本のものが一番”という意識では失敗しやすい。日本食のいい部分を残しながら、シンガポールで受け入れられるものを模索しなければと思います。日本料理の経験を生かしながら、これからもシンガポールにない新しいものを提案し続けていきたいですね」。