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インドの自動車部品・二輪車業界(経済6)

前回の自動車業界に続いて、今回は自動車部品と二輪車業界ついて記します。

 

インドの自動車産業の特徴のひとつには、国内に部品産業の基盤が存在することがあげられます。これはインドでは自動車部品の国産化義務があったことと、2001年に国産化義務が解除された後も、外資を含む完成車メーカーは、生産コスト削減の観点から部品の現地調達に注力してきたことがあげられます。例えばマルチ・スズキは80年代に生産開始した小型車の国産化比率は90年代初めには95%を超えていましたし、マルチを除き当時外資系企業として最も生産規模の大きかった現代自動車は、生産開始時点で部品の現地調達率は70%に達していました。インドでの生産拡大を加速している日系自動車メーカーにとっても、価格競争力を高めるためには現地調達率の引き上げが不可欠となっています。

 
自動車部品の生産額は、97年度の30億ドルから、2004年度には87億ドルと2.7倍に拡大しています。これには乗用車の生産拡大という点に加えて、インドでは乗用車の使用年数が長いことから、アフターマーケットの市場規模も大きく、交換部品の需要が拡大していることも背景にあります。

 
自動車部品貿易をみると、輸出先は米国が26%、EUが30%です。輸入では韓国からの輸入が最大で34%、これに日本が19%で続いています。今年8月には米ゼネラル・モーターズが、自動車部品2億5000万ドル相当をインドで調達する計画であることを明らかにしています。

 
インドの部品メーカーは、日本のような系列的な取引ではなく、複数の自動車メーカーとの取引をしています。日系の自動車部品各社も、日系完成車メーカーの工場新設や増設の動きに呼応して、相次ぎインドでの生産を始めています。

 

 

次に二輪車業界ですが、二輪車販売ではインドは世界第2位の市場で、2004年で621万台でしたが、2005年は760万台と拡大が続いています。インドの二輪車市場は、日本の二輪車メーカーにとっても最重要市場のひとつとなっています。交通渋滞が激しいインドの都市部では、二輪車の人気が高く、二輪車保有世帯数は、2001年度で2200万世帯で、世帯保有率は11.7%となっています。ただこの世帯保有率内訳は、都市部が24.7%、農村部で6.7%で、農村部ではまだ低いのが現状です。

 
インドの二輪車市場の特徴としては、オートバイが市場の8割を占め、スクーターよりもオートバイが圧倒的に多いことがあります。これは道路事情が良くないことが影響しています。

 
二輪車の売れ筋は4~5万ルピー前後ですが、ローンで二輪車を購入できる中間所得層は現在の約3億人から、2010年には5億人にまで増加するとみられており、年間約760万台の二輪車販売台数は2012年には1070万台に達すると予測されています。

 
インドの二輪車市場で圧倒的なシェアを持っているのは、ヒーローホンダで、シェアは41%に達しています。ヒーローホンダは、84年に地場の自転車メーカーであったヒーロー財閥とホンダとの合弁で設立されました。ホンダは99年に新たに100%出資のホンダ・モーターサイクル&スクーター・インディア(HMSI)を設立しています。HMSIのシェアは8%で、ホンダ系の2社をあわせて50%近くになります。ヒーロー・ホンダは主力の100~125ccクラスの販売が好調で、2005年に発売した初の女性向けスクーターの人気も販売も伸びています。昨年完成した第3工場の稼動で生産能力は年間550万台程度まで拡大していますが、会社ではさらに2010年をめどに年産150万台の新工場をニューデリー近郊に建設することを明らかにしています。シェア第二位は地場のバジャジ・オートで、比較的安価な車種の販売を強化し、シェア24%を得ています。バジャジ・オートは川崎重工業と二輪車生産において技術提携をしています。続いてシェア三位は南部が拠点のTVSモーターで、18%となっています

 
日系メーカーでは、TVSモーターとの提携解消で二輪車市場から撤退していたスズキも、現地企業との合弁で2006年から再び二輪市場に参入、年間10万台を生産しています。また、現状インドでは低いシェアにとどまるヤマハ発動機も、販売網の拡充や生産能力の拡大などによって販売シェアの上昇を目指しています。

 

次回はITの6回目で、インドBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業の状況について述べます。