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企業紹介

2007年10月15日

成長するアジアビジネスを担う現地人材を育成、 CICOM(サイコム)の企業内教育研修支援がシンガポールで始動。

サイコム・シンガポール

 

サイコム・シンガポールを立ち上げたきっかけを教えて下さい。

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西田忠康氏

日本電信電話株式会社(NTT)で資金調達、IR、海外事業投資、事業計画を担当後、1996年にサイコム・インターナショナルを設立、代表取締役CEOとして現在に至る。日本MITエンタープライズフォーラムの理事として、起業家の育成やメンタリングにも従事。MITスローン経営大学院経営学修士。

西田
シンガポールに海外初拠点をつくった理由に、海外における日系企業の成長のために「人材育成」という大きな問題が顕在化してきた事があげられます。外国人にとって理解しにくい企業経営の手法がとられ、オフィスの内外でコミュニケーション上の問題があり、キャリアステップがわかりにくいことがいい人を採用できない理由にもなっています。以前から「グローバル化」が唱えられていますが、日本の会社組織にあっても、もっと多国籍的にみんながアクティブになればいいと思うんです。それを実現するには、人材の育成を日本人だけでなく、ナショナルスタッフに対しても行っていく必要がある。ですから、日本語での研修以外に、英語や中国語など他言語で提供するのも大事になってくるわけです。シンガポールに拠点を作る事で、その流れを加速させていくのが目的です。特にアジア地域では、ポテンシャルの高い人材を採用する、採用した人材を組織の中で育成する、その中から経営リーダーをつくっていくというプロセスが立ち遅れているのが事実です。来年には上海にも拠点を持つ予定ですが、日系企業のアジア拠点におけるナショナルスタッフ育成を支援し、経営リーダーを作って行く、それが当社のミッションです。

 

では、海外初の拠点になぜシンガポールを選ばれたのでしょう。

西田
まず、アジアのハブであるということ。ヒト、カネ、モノをアジア地域全体でどう配分して業績を上げ、企業価値を形成していくかということを考える統括拠点としてシンガポールがあることです。それに対応してサイコム・シンガポールのサービスの提供領域は、中国からインドまで、となります。2つ目の理由として、シンガポールは政府が人材育成に関しても熱心で、各国から有能な人材を集めている事もあり、講師の層も厚いからです。英語を始め、中国語の堪能な講師もシンガポールから中国へ派遣しています。

 

シンガポールの日系企業のマネジメントの現状をどうご覧になりますか?

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サンディ齊藤氏

1994年に駿河台学園から派遣され、駿台リンデンスクール講師として3年間シンガポールに駐在。退職後、富士通アジアで人事・総務業務を経験し、ゼンテック・テクノロジー・シンガポールの管理部部長を経て2007年7月よりサイコム・シンガポールのジェネラル・マネジャーとなる。

西田
日本人のマネジメントの方々とお話をしていると、ナショナルスタッフの才能とか能力をまだまだ存分に引き出せていないという認識を多くの方がお持ちです。ただ、具体的にどうかということになると、暗黙のうちに何が期待されているかを感じて行動することが求められる日本的なビジネスの仕方を覚えて欲しいというリクエストが多いようです。日系企業なので、いわば当然な発想なのですが、こういったことやいわゆる「日本的な」ということは非常に伝えにくいものなので、誰でも分かるような普遍的で明示的な仕事の進め方に移行していく、というのが我々のスタンスであり、それを通して顧客企業の業績が上がり、活気づいていく、というようにしていきたい。これまでも本社からの要請でシンガポールや北京・上海などで、日系企業向けの研修を実施してきましたので、その経験を活かしています。

 

サンディ
海外駐在をされている管理者の中にある問題としては、思い込みで苦しんでいる方が多いように思います。人種や、バックグラウンドが異なる人々がいる中で、それぞれが違う、という認識が必要だと思います。10年以上こちらで人事関連部署にいた私の経験からですが、双方が理解し合うのに、まずは、それぞれが違うんだということを分かってもらう事が必要です。

 

西田
日本人、ローカルの人を問わず、チャレンジが少ない。数字を課すというだけでなく、各人の成長のためにチャレンジの機会を作ってあげて欲しい。達成して進化して行くという過程がもっとあってもいいと思います。共通のゴールのために全員で頑張るという意識も必要です。日本ではそれがあるかというと、必ずしもそうではないのですが、チャレンジングなゴールが共有されていない。日本人のマネジメントの方に、ナショナルスタッフには、まだまだ無理、なかなかそんなことまではできない、という先入観があるように思います。

 

シンガポールの日系企業において、早急に手を打つべき課題は何でしょうか?

西田
現時点で、シンガポールの日系企業のトップのリーダーシップが比較的弱い気がします。自分の言葉でゴールを明確にして、やらなければいけない事をクリアにして、具体的なアクションに繋がるようなことを指示すべきです。経営の顔がみえない、個人的な成長がみえないとなると、いい人が集まらない、または優秀な人材が米系、もしくは中国系の会社に移るという結果を招くことになりかねません。

サイコム・シンガポールでは、どのような研修を展開するお考えですか。

グローバルな人材育成「民間版ビジネススクール」

サイコムは、マーケティング、ファイナンス、企業戦略などMBAのベーシックコンテンツを実践に活かすためのツールや考え方を、日本語、英語、中国語で学べるカリキュラムを提供。学位取得を最終目標に置くのではなく、実践力を付けることで多様性に富むグローバルな組織をリードしていくためのマネジメントスキルや、効率的に仕事を進めていくためのコミュニケーション能力を高めることが狙いだ。

 

企業内研修と公開講座

サイコムの研修には、大きく分けて2つある。企業のニーズに併せて、豊富な研修コンテンツをカスタマイズしてプログラムする「企業内研修」と、同社が開発したプログラムを定期的に開催する「公開講座」である。2007年のサイコム・シンガポールの設立により、アジア地域における企業内教育研修の充実、普及が実現可能となった。

 

サイコム・シンガポール社の特徴

  1. ニーズ・ヒアリングに基づく研修プログラムの設計(カスタマイズ)
  2. シンガポール及びアジア各地での講師調達
  3. 研修運営のアウトソーシング

サイコム・シンガポールの主な研修領域

MBAスキル

  • 財務分析(Financial Accounting)
  • ファイナンス(Finance)
  • マーケティング(Marketing)
  • 企業戦略(Corporate Strategy)

戦略策定

  • 問題解決(Problem Solving)
  • 論理的思考(Logical Thinking)
  • ビジネスプラン策定(Business Planning)

コミュニケーション

  • 報告・連絡・相談
  • 異文化マネジメント(Cross-culture)
  • 営業スキルアップ(Sales Skill Up)
  • プレゼンテーション(Presentation)
  • ネゴシエーション(Negotiation)

戦略実行

  • NLP(Neuro – Linguistic Program)
  • チームビルディング (Team Building)
  • ファシリテーション(Facilitation)
  • リーダーシップ(Leadership)
  • 権限委譲(Empowerment)

※研修領域についてはサイコム・インターナショナルのウェブサイトでもご覧いただけます。

サンディ
こちらでは、管理者研修のみに留まらず、新人向け・シニアスタッフ向けなど、もっとすそ野を広く対応していきます。企業にヒアリングをすると、例えば、日本的なことながら、「報・連・相」を理解して欲しいというご要望を良く伺います。コミュニケーションスキルの研修という手段でこうした意識を普及させるなど、我々がお手伝いできるところは多分にあります。シンガポールに支店を立ち上げてから3ヶ月、いよいよ11月から私たちがお手伝いするいくつかの研修が始まります。高いスキル、専門知識を持った講師陣やプランナーとお客様企業のご要望に沿った研修内容の設計を進めています。シンガポール自体、そういった人材のリソースが充実している国なので、そのリソースを上手く使いながら研修の目的を果たしていくつもりです。

 

西田
研修には、いろいろな目的があっていいのですが、研修そのものが、参加者にとってチャレンジングでなければならい、という話をよくします。参加する事がチャレンジであり、何か達成感を得られる、自分をストレッチすることが必要です。そうすることで、参加者の能力や才能を引き出すことが出来ます。ビジネススクールの手法は、その点がよくできているのかもしれません。様々な年齢、属性の方々が、同じ場所に集まって、これまで知らなかった事を学ぶ訳です。いろいろな知識を詰め込まれて、プロジェクトをやる。時間内にとにかく仕上げなければならない。何とかするというのが、多分良い経験になっていて、お互い考え方の違う人達が、同じ目標があるから何とかしようとする。研修の中では、ケーススタディやロールプレイなどを通してこうした経験を取り入れるようにしています。

 

サンディ
研修後のフォローアップもキーポイントだと思います。多くの企業から聞かれることは、お金、時間もかけたものの、1カ月もたてば忘れてしまう、実行出来ていないということです。我々は、講師のネットワークを活かして、その後のフォローを定期的に提供していく予定です。インタビュー、フォローの研修、など、研修会社がいつも近くにいるという距離感を大切にしたい。日本から赴任された方々は、社員教育が本業というケースはほとんどないわけですから、研修会社がフォローアップを提供することが日本以上に大事になると考えます。その時々の課題、企業の進化に併せていろいろなものを提供できるよう、リソースを増やしネットワークを築いて行く予定です。

 

サイコムのシンガポールにおける競合他社はどういったところでしょうか。

西田
日本国内の我々の競合他社で、海外に拠点をもっているところは今のところないようです。シンガポール経営大学(SIM)やシンガポール国立大学(NUS)など公開型のマネジメントのコースは多数ありますが、そちらでもなかなか企業の事情に合ったカスタマイズの機能はないようです。日系企業がメインの顧客ですので、日本のマネジメントが解くべき問題も我々にはよくわかります。また、ローカルの研修会社の場合、数社ありますが、日本も含めたアジア全域をカバーするような人材育成を手がけられるという点において、我々のサービスはユニークだと自負しています。

 

今のビジネスのやりがいはどんな所にありますか?

西田
人が育つ、パフォーマンスを高めることを支援する仕事なので、人に喜んでもらえるところですね。企業研修のコーディネーターをしたのがきっかけで知り合った参加者の方が、後に起業されてその相談にのったり、一緒にビジネスをしないかという話があったり。この仕事ならでは、ですね。

 

サンディ
研修の効果を信じていない方も結構いらっしゃる中で、こちらが、研修という切り口から人が育つ、人のつながりを築くことができるということをご説明して行くと、ふとそれに気がつかれる瞬間がその方の表情で分かるときがあります。その瞬間、かもしれません。その後は多くを語る必要はなく同じベクトルで話が出来ます。

 

今後のサイコムの方向性は?

西田
10年後日本の企業社会において、コアとなる人材は世界中で育てる状況になっているはずです。これまでの人材研修は、言葉によって制約を受ける事業ですから、我々どもの研修のように、言葉やビジネス文化の違いを克服してサービスを提供できるメリットは大きい。また、日本人でこれからのグローバルな世界で活躍できる人というのは、日本だけでなく海外いろいろな所に住んで仕事をされるわけですから、将来的には、その一人一人を支援していきたいと考えています。「学び」という点でビジネスプロフェッショナルを支援するという活動は、日本の中に閉じているよりは、世界で展開できる方が、よりインパクトを起こしうる人達を支援する事ができると思いますね。

 

サイコム・シンガポールからメッセージをお願いします。

CICOM企業研修の流れ

  • 人材育成ニーズのヒアリング
  • プログラムの設計(ご提案)
  • 時期・場所・参加者等の決定
  • 講師の決定及び内容の詳細検討
  • 参加者への告知及び問合せ対応
  • 研修実施(運営一切を受託)
  • 報告・定期的なフォローアップ
サンディ
人の事ならなんでも、まずは気軽に相談して欲しい。私自身、長くこちらにいることで得た経験の蓄積、変わりやすい雇用条例などについての知識もありますし、人事に関する政府関係の繋がりもあります。研修会社は、外部リソースなので、それを自分の会社に効率良く役立てるようになれば、日系企業も変わっていくような気がします。上手く利用して頂ければと思います。採用、会社の人事ポリシー、保険会社など、サンディに聞いたら何か分かるかも、でいいんです。情報のツールの一つとして使って欲しい、その中から人材育成のお手伝いする機会も生まれて来る。研修というのは、漢方薬のようなもの。即効薬ではないので、環境を整えながら日々の関わりのなかの長い積み重ねで効いて来るんだと思います。そういうスタンスで私どもがサービスを提供できれば、と考えています。

サイコム・シンガポール Pte. Ltd.
9 Shenton Way #04-03 Singapore Conference Hall 068813
TEL:6536-9118
E-mail:info@cicom.com.sg

9 Shenton Way Singapore Conference Hall Singapore 068813

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.108(2007年10月15日発行)」に掲載されたものです。
文=桑島千春

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