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「海外在住中に夫と離婚。妻の社会保険はどうなる?」

Q: 私は、夫の海外赴任に帯同して、3年近くシンガポールに在住している者です。実は、諸事情から近々夫と離婚することになったのですが、離婚した後、私の社会保険はどうなってしまうのでしょうか。ちなみに現在は、夫の扶養に入っており、自分では特に何も加入していません。(Aさん)

A: 離婚後は、配偶者の扶養に入れなくなるため、現在の健康保険や国民年金には継続して加入できなくなります。
 まず、健康保険(公的医療保険)について。通常国内であれば、市区町村が運営する国民健康保険に加入することになりますが、海外在住で日本国内に住民票の住所がない場合、加入できません。つまり、医療については、日本の社会保険制度に加入できないのが現状です。一方で、国民年金は、海外在住の場合であっても65歳未満であれば、任意で加入することができます。そのため、将来の年金を少しでも増やしたい場合は加入することをお勧めします。ちなみに、任意加入には、月額1万6,410円(2019年度)の保険料がかかります。
 なお、この手続きは、1)日本で手続きや郵送物を受け取る協力者を決める、2)協力者に年金事務所から「国民年金被保険者関係届書」を取り寄せてもらい、必要事項を記入する、3)協力者が上記書類と委任状を持参して、出国前の加入者の住民票住所地を管轄する年金事務所で手続きをすれば、完了です。郵送で直接手続きも可能ですが、不備などがあれば手間が掛かるので、ご家族と協力して手続きされることをお勧めします。
 
▶ このコラムの回答者

武澤 健太郎
社会保険労務士法人 大槻経営労務管理事務所 アジア進出担当 執行役員