この建築は、前回紹介したDUOと同様にBIM(立体図面、二次元図面、施工過程などが統合された情報)で施工過程や複雑な配線が事前検討された。特に末広がりの部分は階ごとにユニットがずれて配置されている為に、BIMの立体情報や模型により現場との意思の共有がされた。同様に2つのタワーを繋ぐ三連のトラス状(三角形を基本単位とし、その集合体で構成する構造形式)のブリッジもBIM上で建設過程を検討した。BIM化は建築許可を得るのに必要な情報ではあるが、この様な複雑なプロジェクトを効率化する上で、寄与している事が理解できる。
藤堂 高直(とうどう・たかなお)
1983年東京生まれ。15歳の時の渡英する。
2008年にロンドンの名門建築大学AAスクールを卒業。
同年に英国王立建築協会パート2資格を取得。卒業後はロンドン、ミュンヘン、パリ、東京と建築設計に携わる。
2012年に渡星、現在はDPアーキテクツに所属。
スペインのログロニョで行われた設計競技に優勝。
シンガポールでこれまでに手掛けてきたのは、ゲンティン・ホテルやオーチャード・ロードのインターナショナルビル改装など。