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Real Scope Pte. Ltd.  一からプロデュースする自信作で新たなマーケットの開拓を狙う

時間と根気をかけ
こだわりの靴をプロデュース

 Real Scope Pte. Ltd.は、日本の靴輸入販売業者GMTがシンガポールに開設した子会社。GMTは「さまざまな価値観を持つ世界各国の上質な靴を届けたい」という理念により、「世界標準時間」から取った名前で、1994年に創業され、歴史と伝統の靴づくりで定評のあるイギリスの「TRICKER’S」やフランスの「PARABOOT」などのブランドを、ユナイテッドアローズ、ビームスなどの国内有名セレクトショップや百貨店などに卸している。

 

Real Scope Pte. Ltd.
Director
横瀬 秀明氏

 

 靴輸入代理店としての一番の悩みは、毎年上昇し続けるヨーロッパ革靴の値段。材料費や人件費の上昇とともに、店頭販売価格はお客様の望むものと差がではじめていました。そんな時期にGMTはインドネシアで靴を生産しているFortuna Shoes社と出会い、「Jalan Sriwijaya」ブランドを立ち上げ、プロデュースを開始。「インドネシアは欧米に比べ、革靴の生産経験が少ない国であるため、靴作りに必要な資材や技能など、納得のいく品質に育て上げるために時間と根気をかけました」(横瀬氏)という「Jalan Sriwijaya」は、高級ブランドにも使用されているようなハイグレードなヨーロッパ製の革や底材を使用。手作業中心の本格的ハンドウェルテッドグッドイヤー製法を用い、ディテールにもこだわった自慢の品質ながら、購入しやすい価格帯で国内で支持を獲得している。

新たなマーケットへの期待を抱き
シンガポールへ

 そのJalan Sriwijayaを海外にも紹介するべく、2017年11月、自社としては世界初のフラッグシップショップをシンガポール髙島屋3Fに開店。シンガポールを選んだのは、通常、海外ブランドを扱う場合、価格が上がり売りづらい状況に陥りがちなところ、Jalan Sriwijayaの場合は生産国のインドネシアが近いこともあり、320SGD~340SGDと、欧米高級ブランドと比べ魅力的な価格帯で販売が可能であること、そしてアジアの金融の中心である当地はビジネスマンが多く、経済成長の伸びしろもあると考え、革靴の需要の伸びを見込んでのことという。確かにJalan Sriwijayaは、ぐっとくる価格帯が魅力的だ。

 

 シンガポールでの開店から4ヵ月。日本で売れ筋の商品がなかなか売れなかったり、逆に意外なモデルやカラーがよく売れたりなど、気候や習慣はもとより、革靴の知識や価値観の違いを感じ、またそれ故、販売スタッフへ靴のTPOやケアの常識を一から教育しなければならないなど苦労もあるが、シンガポールは自分たちにとって新たな価値観のマーケットだという気づきもあるという。「革靴を専門的に売るブランドの直営店はシンガポールでは珍しく、お客さまの反応の良さを感じています。ファッションに対するポテンシャルは今後も期待でき、新たなマーケットになっていくと思います」(横瀬氏)とも。高品質ながら手の届きやすい価格帯で革靴という当地ではニッチなマーケットの拡大への期待を膨らませている。

 

会社プロフィール
Real Scope Pte. Ltd.
24 Peck Seah Street, #04-03 Nehsons Building Singapore 079314
http://www.jalansriwijaya.com/


Jalan Sriwijaya直営店

Takashimaya Shopping Centre 3F 391 Orchard Road, Singapore 238873
営業時間: 10:00 ~ 21:30
tel +65 9829 1007