2017年から世界的な株高が続く中、S&P500やNYダウなど米国の主要な株価指数は、年明け以降も史上最高値更新が続いています。引き続き上昇基調の市場トレンドを受けて、買い注文を入れてみることになりました。
2017年12月、買い注文を実行
AsiaX:米国の株価指数、12月もずーっと上がっていましたね。こういう時期は空売りに適した銘柄も少ないから買い注文で良さそうな銘柄を探してみる、という考え方で良いんでしょうか?
三方:そうですね。そこで今回は、生活必需品(Consumer Staples)セクターのAllison Transmission Holdings, Inc.(ALSN)と金融(Financial)セクターのFCB Financial Holdings, Inc(FCB)の2銘柄を買ってみましょう。
AsiaX:ALSNは生活必需品セクターなのでディフェンシブ株、FCBは金融セクターなので景気敏感株に分類されるんでしたよね。12月号で勉強したのを思い出しました。
ところで、ALSNとFCBの2銘柄を選ぶポイントはどのようなところでしょうか?
三方:ALSNは長期的な上昇トレンドにあって、11月の初めに最高値を付けました。その後少し下がりましたが、12月に入って再び上昇トレンドになりました。同社の業績や業界動向の見通しなどさまざまな要素から、しばらくは上昇が続くのではないかと期待しています。ちなみに、上昇トレンドにある銘柄が少し下がった時に購入することを「押し目買い」と呼んでいます。
FCBは2016年12月ごろから一定の上下幅の中だけで株価がもみ合ういわゆる「ボックス相場」が続いていたんですが、1年経って12月あたりからようやく上昇トレンドに変わり、ブレイクの兆しが見えてきました。
AsiaX:適切な購入株数を計算するための式はこれでしたよね。
適切な購入株数 =(取引当たり許容リスク(%)×投資資金)÷(購入する株の価格-損切り価格)
三方:そうです。初心者は「取引当たり許容リスク」を1%にすることをお勧めします。「損切り価格」について今回は、ALSNはUSD38.02、FCBはUSD47.24にしましょう。
AsiaX:損切り価格ってどうやって決めればいいんでしたっけ?過去3ヵ月ぐらいの最安値とか?
三方:残念ながらそう単純なものではないんです。損切り価格は、一定のリスク管理を基にした計算方法で決めていきます。その辺りはトレードスクールでより詳しく教えています。
AsiaX:なるほど、私もこれから勉強する必要がある部分ですね。あと、計算式の中の「投資資金」ですが、今回は2銘柄買うので投資資金も半分にしてそれぞれ計算する、で良いですか?
三方:いえいえ、この計算式は、自分の投資資金全体に対して、これから購入する銘柄にどのぐらい投資するかを計算するためのものですから、投資資金の数字を変える必要はありません。
AsiaX:わかりました。ではALSN株とFCB株の買い注文をさっそく入れてみますね。
数日後、初めての買い注文の結果は……
AsiaX:12月21日の夕方に買い注文を成り行きで入れてみました。ニューヨークの現地時間ではまだ早朝だったので、購入株数の計算には各銘柄の12月20日の終値を使いました。ALSNの終値はUSD43.10、FCBはUSD51.45でした。
計算結果から教えていただいたように小数点以下を切り捨てて、ALSNは5株注文しました。
(1% x USD3,000)÷(USD43.10 – USD38.02)= 5.905…
FCBは7株注文しました。
(1% x USD3,000)÷(USD51.45 – USD47.24)= 7.125…
三方:買い注文の結果は確認できましたか?
AsiaX:はい、残高の画面を確認したら、どちらも無事購入できていました!そのスクリーンショットが下の図です。
三方:良かったです!あとは上がりますように……。
AsiaX:あの、株って1株からでも買えるんですね?実は私、投資資金が100万円単位で用意できて、株も百株単位とかまとめて買える資金力がある人しか株なんて買えないんだとずっと思ってたんです。単位が大きいので、私には怖くてちょっと無理だなぁって。
三方:日本株は売買単位が100株もしくは1,000株というのが一般的です。でも米国株はすべて1株単位で購入できます。iPhoneやMac等でおなじみの、時価総額世界一を誇るアップル(AAPL)の株式でも、12月21日の終値ベースで1株USD175.01です。
AsiaX:じゃあ、私もアップルの株主になろうと思えばなれるんですね!
頑張って資金を増やしたら、自分が好きなブランドや応援したい会社の株を買うのも良いですね。銘柄探しの楽しみが増えました!
今回のまとめ
◆ 「買い」か「空売り」かは市場の流れも参考に
株を買って高くなってから売るか、借りた株を売って安くなってから買い戻すか、その判断条件は銘柄によってもさまざまですが、市場全体が上昇トレンドにある時は、初心者にとって後者のいわゆる「空売り」はハードルが高め。「買い」の銘柄を探すのがお勧めです。
◆ 米国株の売買単位は1株
日本株の売買単位はかつて1株~1000株まで8種類ありましたが、今年10月までに100株単位に統一されます。一方、米国株の売買単位は1株。日本株と米国株の違いとして覚えておくと良いでしょう。