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第4回 男女脳別モチベーションのアップ&ダウン

部長昇進の打診があったとき、「引き受ける以外の選択肢はないよね」とノリノリのあなたは、男性脳。「考えさせてもらう」とテンションが低い人がいるなんて、信じられないでしょうが、これが女性脳によくある反応です。

 

目に見える客観的評価や小さな目標達成で
モチベーションを上げる男性脳

男性脳は、昇進、昇給、ボーナスアップ、肩書き、社長賞、成績発表などでモチベーションが上がります。右と左の脳があまり連携しない男性脳は、好き嫌いなどの主観を自覚しにくいため、客観的に評価されると納得がいって、やる気になります。成果を客観的に見える手段で評価されることを望んでいるのです。

 

他の人の成績と比較して自分の成績が良いかが気になるので、営業成績表を掲示してグラフを毎日つけるなどすると、成績アップを楽しみに働けます。また肩書きにも敏感で、できるだけトップになろうとします。よって「誰が見てもすごい」というのを示すのが大切となり、全社員の前で表彰したり、社長賞の受賞者を社内報に載せたりすると良いです。

 

ゴールまでの小さな目標達成も、モチベーションアップには欠かせません。目標が達成できているか、日報や週報で進捗チェックすることを忘れずに。小さな目標が達成するたびに、打ち上げ飲み会も効果的。

 

逆にゴールが見えない、目標が設定できないような仕事は、モチベーションを下げます。

 

主観的評価を求める女性脳には
共感することも忘れずに

さて、女性脳は、客観的評価ではモチベーションが上がりません。部長昇進を告げると、喜ぶかと思ったのに、会社を辞めてしまった、なんてことが起きるので、要注意です。

 

女性脳のやる気は、その人だからこその何か主観的なことを評価することでアップします。右と左の脳の連携が頻繁な女性脳は、成果で褒められることより、自分が工夫したプロセスに気づいてくれることが嬉しいのです。例えば、「半年前の君が見つけた写真が決め手になったよな」と声をかけられると、やる気を上げ、声をかけてくれた上司を一生忘れません。恋心とは別ですが、その上司を立て、社長にしようと作戦を練り始めるほどです。

仕事内容にもよりますが、「細かい報告はいらない。責任は俺が取るから好きにしろ」という言葉は、女性脳に最高の能力を発揮させます。男性脳の方は、たとえ女性脳の提案が理解できなかったとしても、「たぶんお客様が評価してくれるだろう」くらいの気持ちで、まずは任せてみましょう。この良例がNTTのサービスです。相手の電話番号が表示されるナンバーディスプレイは、女性脳から提案されたものでした。しかし男性脳ばかりの企画会議で、「なんでそんなものが要るのか?」と却下されそうになりました。実現したのは、「まあ、そういうのもやってみたらどうか」と上席の後押しがあったからだそう。今ではこのサービスはなくてはならないものになっていますね。

 

 

女性脳は、人の気持ちを察することが得意です。このため、お客様が喜ぶことは何かを察して柔軟にアイディアを出します。そのお客様になりきってよくよく考え抜いたアイディアなので、たいていは1つです。その1つの提案に、最初からダメ出しをすると、壊滅的にモチベーションを下げます。男性脳は、問題点をみつけて助言しているだけなのですが、女性脳は全否定されたと感じ、二度と提案しない、となってしまう場合もあります。これを避けるには、共感が必要です。いきなりのダメ出しや否定をしないで、まずは良いところを先に言ってから、問題点の助言をしましょう。女性脳には、共感がモチベーションアップに欠かせません。

 

※ここで言う「男性脳」「女性脳」は下記です。
男性脳:右左脳をつなぐ脳梁の連携をあまりしないタイプの脳のこと
女性脳:右左脳をつなぐ脳梁の連携が頻繁なタイプの脳のこと