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第3回 男性脳のものの見方と、女性脳のものの見方

「その信号、左よ」と車内で同乗の女性が言ったが、運転している男性は「その信号」を曲がらず通り過ぎて、次の信号で曲がった。すると、「なんで言ったところで曲がってくれないの!」と、彼女は怒り出した!こんな経験はありませんか?これは、男性が女性の話を聞いていないのではなくて、「その信号」が男女で別のものを指しているからなのです。

 

私たち一人ひとりが見ているものは、その人の目を通して脳内で合成された画像です。脳は一人ずつ違うので、同じものを見ていても、全く同じものには見えていません。この見え方 が男女で大きく違うって、ご存知でしたか?

 

男性脳は立体的に、女性脳は1枚写真的に
視覚情報の伝達で差が出る「見え方」

細かい話ですが、私たちは右目・左目それぞれの右と左に映った画像を脳の後ろの方の左と右に映し、それらを合わせて合成画像として見ています。ここで、右左脳の情報があまりよく行き交わないと、左右の画像は少しずれて立体的に見え、右左脳の情報が良く行き交うと、左右の画像はぴたっと合って1枚の写真のように奥行きの少ない合成画像が見えるのです。

 

このため男性脳※はものの立体感や、奥行き、距離などをつかみやすく、女性脳は目の前のものをつぶさに見ることができます。冒頭の車の話は、女性が目の前の近い信号を見、男性は、もっと先の信号を見ていたということ。

 

では、冷蔵庫の中を見る場合は?というと、男性脳は、ドア付近の辛子のチューブは見つけられないのに、奥のほうの賞味期限切れの瓶詰めなどは見つけます。こんな男性脳に、女性脳はイラッときてしまいます。

 

商品陳列やスポーツから嘘ホント診断まで
男女の見え方の特性をいかしてみる

見ている位置の違いは、商品の陳列に活かせます。女性に買ってほしい商品は、女性の目につきやすいレジの前や、目から下の見渡せる位置へ。ワゴンにいろいろ入っているのも、その範囲なら見落とさず、選びやすいからです。男性向けには、レジの後ろの棚や、奥行きのある棚など。また新聞紙のような整然としたレイアウトならば、トップ記事はどこで、見出しはこの大きさ、などのように配置ルールが決まっていていると良いです。近くと中間、遠く、さらに遠く、をまばらに見ているので、全体の把握をするために、安定した定点やルールが必要です。

 

男性脳は、ものを見るとき、立体感、距離、配置、などを無意識に感じています。このため、赤ちゃんのころから、遠くにあるおもちゃまでの距離がどれくらいなのかに興味がいって、ハイハイして動き回るのです。大人になっても、ボールを遠くに飛ばすゴルフに興奮します。距離と配置も気になるので、会社の組織表や、人事などもこの空間を認識する男性脳には気になるところです。女性脳が、会社の組織の上下にかなり無頓着なのは、男性脳のようには気にならないからです。

 

次に、男女脳では、色の見え方も違っている場合があります。化粧品売り場の口紅の色が、なんであんなにたくさんあるのか理解できない男性脳は、多いものですよね。それは、男性脳の多くが色を赤、緑、青の3原色で感知していますが、女性脳の中には、4番目の原色、紫外線の波長を感知し、4原色で見る人たちがいるからです。全ての女性脳が4原色で見ているのではないそうですが、女性脳たちは、よく似た色の口紅も、間違えずに選んでいます。4原色見えると良いのは、木の実の熟れ具合や、人の顔色などを見分けることができること。健康な肌色や熱があるときの肌色など、微妙な色が女性脳には見えています。

 

奥さまの前でちょっとした嘘をつくとき、男性のほんのわずかな顔色の変化も女性脳は見逃してはくれません。怖いですね~。

 

※ここで言う「男性脳」「女性脳」は下記です。
男性脳:右左脳をつなぐ脳梁の連携をあまりしないタイプの脳のこと
女性脳:右左脳をつなぐ脳梁の連携が頻繁なタイプの脳のこと