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第9回 時流の変化〈能力・情意からコンピテンシーへ〉

人事評価制度の変遷をお伝えした前回に続き、連載第9回目は「評価要素と評価手法の趨勢」を見極めます。

 

1960年代後期台頭の、職能資格制度で掲げられた人事評価の3要素である「能力」、「情意」、「成績」。時代を経ることにより、それまでの「能力」「情意」は業績につながる目に見える行動を評価する「コンピテンシー評価」へ、「成績」は実際に目標をどれぐらい達成できたかを評価する「目標管理制度(MBO)」へ置き換えられていきます。

 

 

そして現代、多くの企業が人事評価の意義を見直した結果、その評価手法を各人の意欲を引き出すモチベーション戦略のツールとして活用する段階に達したのです。

 

しかし、モチベーションとは人それぞれなので、意欲を引き出す作業は一筋縄ではいきません。評価要素の中身についても個別対応が必須となり、細かな調整を繰り返す必要が生じます。

 

さらには、コンピテンシーという言葉も幅広い概念で捉えられています。「高い成果を安定的に生み出す職務行動」をいかに定義・評価するかは、企業によってさまざまなのです。

 

この人事評価プロセス自体を「マネジメントツール」として機能させる取り組みを、今すぐ始めませんか?限られた人材の効率的活用に欠かせない「能力発揮・開発の意欲」を引き出すマネジメント手法を、あしたのチームを通じてぜひ取り入れてください。