これまで銘柄選びのコツを教わり、デモトレードでの練習を重ね、米国株を取引するための口座を開設し、いよいよ初めて株式を購入したのが前回のこと。だったはずなのですが……。
AsiaX：三方さん、大変です！前回までの担当者に確認したら、購入した時から口座の残高が全然変わってなかったそうなんです。
三方：それはおかしいですね。前回の買い注文の結果を確認する必要がありますね。
三方：そうですね。Order Result（注文結果）という見出しのすぐ下に、いわゆるビックリマークが表示されていますね。
AsiaX：買い注文に何か問題があったということでしょうか？
三方：よく見てみると、一番下の”Details”のところに「指定した投資商品はこのアカウントでは取引できません」という旨が書かれています。続けて読んでみると、「CARステータスオンラインをリンク先で更新してください」とあって、”Online CAR Declaration Form”というテキストリンクがありますね。
AsiaX：CARって、何でしょうか？
三方：Customer Account Reviewの略で、株などの取り引きを行うための証券口座を開設する際に提出しなければならないものです。これから外国株や上場投資信託（ETF）などの投資商品を購入するにあたって、その特性やリスクについて理解している旨を、ユーザーから金融機関に通知する必要があります。元本が保証されている定期預金などと違って、株式などの投資商品はユーザーが許容範囲内のリスクを取り、その代わりにより高い収益を最終的に得ることを期待して購入・運用するものです。ユーザーがその点をきちんと理解していることを確認しなければ、金融機関も株式などの商品を当該ユーザーに販売できない仕組みになっています。今回はその確認がまだだったということのようですね。リンク先の画面でいくつかの質問に答えればCARの提出は完了するはずです。
もし前回の買い注文が成立していたら……
AsiaX：なるほど、まずCARの提出が必要であることはよくわかりました。ところで、前回の買い注文がもし成立していたら、今ごろはどうなっていたんでしょうね。
三方：仮に9月12日に$98でエントリーをしていた場合、10月11日の終値で$110.95まで値上がりしました。約1ヵ月で利回り13.2%を達成できていたことになります。残念でしたね。
AsiaX：13.2％ですか！先月買い注文を入れようとしていた時点では、やはりおすすめの銘柄だったということですね。さて、これからどうしましょう？私もカーチス・ライト株を買ってみようかなと思ったのですが。
三方：それは止めておきましょう。いかに良い銘柄だとしても、売買のタイミングを誤ると損をしてしまいます。株価はずっと上がり続けることはありません。うまく利益を出せた人たちが、どこかのタイミングで売却して利食いをするからです。この銘柄を買うのであれば、値下がりして、再度上がり始めるタイミングを狙いましょう。
AsiaX：わかりました。まずは米国株を購入できるように、証券口座を開いたらCARを提出しておきますね。
今回のまとめ
◆初めての米国株トレードの前にCARの提出を
米国株トレードを目的にシンガポールの金融機関で証券口座を開いたらCAR（Customer Account Review）の提出を。窓口で記入用のフォームを渡されることが多いのですが、口座開設後にオンラインで手続き可能としている金融機関もあります。
◆以前のおすすめ銘柄が今も良いとは限らない
過去のある時点から見て順調に株価が上がっている銘柄があっても、これから先も同じように値上がりするかは見極めが必要。そのノウハウはトレードスクールで詳しく学ぶことができます。