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第2回 会社でよくある、男女間におけるコミュニケーションの誤解

上司が部下と良いコミュニケーションをとるには、「上司が時間をとって部下の話を聞くこと」と、思っている男性マネージャーがいました。彼は、女性スタッフの話を1時間も聞いたのですが、「なにも聞いてくれない!」と彼女に逆切れされてしまいました。部下の話をしっかり聞いたはずなのですが、なぜ、こんなことになってしまったのでしょうか?あなたも、こんな経験をお持ちですか?

 

この場合、話の聞き方が悪かったのです。女性脳が「話を聞いてもらった」と思うには、話に共感しながら聞かなければいけません。「え~、共感できない場合はどうしたらいいの?」と困惑された方は、「相手の言ったことを反復する」、これをお勧めします。「反復」というのは、彼女が、「今日、道が混んでいて」と言ったら、「道が混んでいたんだね」と返す具合です。この「反復」をすると、彼女は共感してもらったように感じます。

 

「結論から言ってくれ」とか、「要するに、何?」「で、ポイントは?」などと彼女の話の腰を折ったり、「そこは君も悪いよ」とか、「こうしたらよかった」と駄目だしやアドバイスをしたりするのも彼女をイラッとさせ、話を聞いてもらえなかったと感じさせてしまいます。

 

「女性の話は長い。その上、結論がない。手短に要点だけ言ってくれないか」と思っても、相手の言ったことを反復していれば、彼女の話は最短で済み、話をしているうちに、彼女自身で最適な解決法を見つけることができるものなのです。

 

脳の左右の連携具合が生む、男女間の「話の仕方の違い」

これは、女性脳の右と左の脳の連携が良いために起こります。

 

女性脳は右左脳の連携の良さで、暑さ、寒さや匂いなど身の回りの環境状況や、疲れなどの自分の状態など、感じたことをすぐに言語にすることができるという特徴があります。このため、感じたこと、気になったこと、今見て気になることも、順に話していきます。報告や連絡、相談は、事の起こりから経緯を、細やかに話せば話すほど脳が活性化して、自らいいアイデアを生むことができます

 

一方の男性脳は、右左脳をあまり連携させず、寒さや疲れなどを認識しにくく、自分の気持ちも認識しにくいので私情が入らないという特徴があります。言葉を女性脳のように多く出さないので、話は整理されて端的になります。できれば、結論だけを言葉ではなくて、図形やグラフで表したいほどです。決まったゴールに向かって一直線に、最短距離を行くような話を好みます

 

プロセス志向とゴール志向、互いの能力を理解して会話を

女性が長い報告をするのは、能力が低くて話がまとめられないのではないのです。まして愚痴や言い訳をしているのでもないのです。

 

男性脳は、早く結論を知って、問題があればすぐに解決策に取り掛かりたいので、女性脳の長い話を集中して聞くこともできず、イライラしてしまいます。が、女性脳は、おおまじめに、結論だけなんて少ない情報量で大丈夫?と心配をして、プロセスの情報量を増やそうとしてしまいます。

 

このように、女性脳はプロセス志向、男性脳はゴール志向です。問題へのアプローチが正反対で、お互いに、自分の考えや感じ方が正しいと思っているので、相手の行為が不快なのです。しかし、これでは、お互いの良いところが生かせないので、自分にはない能力として知っておくことが大切です。できれば、自分とは違う考え方に敬意が持てると、なおよいですね。

 

次回は、男性脳のものの見方と、女性脳のものの見方の違いをお伝えします。

 

※ここで言う「男性脳」「女性脳」は下記です。
男性脳:右左脳をつなぐ脳梁の連携をあまりしないタイプの脳のこと
女性脳:右左脳をつなぐ脳梁の連携が頻繁なタイプの脳のこと