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2017年9月27日

強固な日豪関係をベースに東南アジアの新市場を開拓

駐シンガポールオーストラリア大使 ブルース・ゴスパー氏

―日本とオーストラリアの間にも経済的に深いつながりがあります。両国の関係についてどのようにご覧になっていますか。

オーストラリアに対する投資を国別で見ると、日本の投資額は米国に次いで2位と高い水準にあり、今後も日本はオーストラリアにとって重要なパートナーであり続けるでしょう。また日本は、オーストラリアと同じく貿易大国であり、さらにタイやインドネシア、ベトナムといった国に対する援助や投資に対して積極的であるなど多くの共通点があります。東南アジアへのビジネス展開においても協力できる機会は多いと思います。

 

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2017年1月14日、オーストラリアのシドニーにて安倍首相とマルコム・ターンブル首相との共同記者会見の様子。(写真提供:首相官邸)
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2017年1月、ターンブル首相主催レセプションの様子。(写真提供:首相官邸)

―具体的に、どういった分野で協力が可能とお考えですか。

さまざまな分野で協力が可能だと思いますが、特に有望なものとして食品、インフラ、教育などが挙げられます。いずれの分野でも、両国の企業は優れたノウハウを保有しており、連携できる場面は多いはずです。

 

両国の関係強化に向けた具体的な取り組みとして、われわれは今年7月にシンガポールの日本大使館および日系の銀行や商社、インフラ関連企業ら38社と共同でビジネスラウンドテーブルを開催しました。東南アジアにおけるビジネストレンドのほか、両国の企業間での協力のあり方について協議し、日本側からは篠田大使も参加、活発な意見交換を行うことができました。

 

―シンガポールでビジネスを成功に導くためには、オーストラリア人と日本人およびシンガポール人とうまく関係を築いくことも欠かせません。それぞれの考え方の違いについてどのようにご覧になっていますか。

シンガポールの場合、意思決定のあり方はトップダウンで、何かを決める時はチャンスを逃さないよう素早く判断する傾向が強いと思います。これに対して、日本の場合は慎重かつ保守的な考え方の人が多いのではないでしょうか。個人的に、オーストラリア人の意思決定のスピードや慎重さの度合いはシンガポール人と日本人の中間あたりに位置しているのではないかと思います。

 

またオーストラリアには、さまざまな国から多様な人種の人達が集まっています。職場においても、違う文化を尊重しながらより良い結果を求める風土があり、シンガポールで事業を展開する上でも利点になるでしょう。

 

―1989年から1992年まで、東京のオーストラリア大使館に勤務されていたそうですね。その時の思い出などについて聞かせて下さい。

東京はとても暮らしやすい街でした。また東京に滞在していた時に息子が生まれたこともあり、日本は私にとって特別な場所のひとつです。このほか私は、日本にいる間にほとんどの都道府県を旅しました。特に気に入ったのが和歌山の高野山や岩手の平泉。高野山の美しい風景や神秘的な雰囲気に魅力を感じました。

 

旅行中も、道を教えてくれるなど日本の人達はとても親切だったのが印象に残っています。多くのオーストラリア人旅行者も、旅先で日本人の親切さに触れており、日本に対して良い印象を持っていると思います。日本からも学生や旅行者、ビジネスパーソンが数多くオーストラリアを訪れており、両国間で盛んな人の行き来が盛んなのは良いことですね。

 

―今後のビジョンについてコメントをお願いします。

オーストラリアと日本は良き友人でありパートナーです。互いに投資を行い、また相互の強みを生かして協力関係を強化することで、東南アジアで新たな市場を開拓し、より一層の発展を目指していけると思います。

326web_IMG_1432シドニー生まれ。マッコーリー大学卒業後、世界貿易機関(WTO)のアンバサダーとして東京やワシントン、ジュネーブで勤務、このほか政府系機関であるオーストラリア貿易投資促進庁(オーストレード)のCEOとして、貿易促進や投資、旅行政策などの分野に携わる。2017年1月からシンガポールのオーストラリア大使に就任した。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.326(2017年10月1日発行)」に掲載されたものです(取材: 佐伯 英良)

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